多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

なぜ?また梅毒が急増している理由

国立感染症研究所が先日発表したところによると、2021年に性感染症のひとつ、梅毒の患者が過去最多を記録しました。
さらに今年2022年は、その1.6倍のペースで患者が発生しています。

4月25日放送の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』では、梅毒が急増している背景について、CBC論説室の後藤克幸特別解説委員に聞きました。

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性病の一種

2年ほど前、このコーナーで取り上げたこともある梅毒。
それ以降も増加のペースがスピードアップしており、とても心配な状況です。

そもそも梅毒とはどういう病気でしょうか?

後藤「性感染症、いわゆる性病のひとつです。細菌の一種で、梅毒トレポネーマという細菌が身体に入ってきて引き起こされる病気です。

口や性器の粘膜から細菌が侵入してきます。感染経路が主に性行為なので性病といわれます」

どんな症状?

梅毒の症状はどのようなものでしょうか。

後藤「感染後3週間くらいすると感染した場所にしこりが現れます。リンパ節が腫れたり、痛みもなく、これは自然に消えていきます。

そこを放置して数か月くらいすると、細菌が血液を通して、全身に運ばれている状態になってきて、身体全体に赤い発疹ができてくる。これも自然に消えていく。

その時にアレルギーかなと思って放置しておく人が多いのも問題です。

さらに、数年経つと、この細菌が全身に回って、心臓や脳にも達すると生命にかかわる状況にも陥るという怖い病気です」

放置していると怖い病気なので、早期発見が大事になります。

治療方法は?

治療方法はあるのでしょうか?

後藤「ペニシリン、抗生物質がとてもよく効く病気です。1940年代にペニシリンが開発されて普及してからは、早い段階で治療すれば確実に治る病気になって、患者はずっと減少を続けていきました。

1970年頃に国内で年間6,000人を超える患者を出したのがピークで、それ以降はどんどん減って、1990年頃からは日本の患者数は毎年1,000人以下でしたが、2011年頃から増加に転じ始めます。

そのペースが2013年に1,200人を超えて、以降、2015年には2,000人を超える。ここ1、2年は7,000人を超えるという急増ぶりが問題になっています」

急増の原因は?

急増した理由は何でしょうか?

後藤「詳しいことは専門家の間でも議論があって、よくわからないですが、言われていることとしては、性風俗が昔に比べて多様化していること。

インターネットを通じて不特定多数の異性と結びつく機会が以前より増えている。最近でいうと、コロナ禍の影響が言われています。

つまり若い人が飲み会とかが縮小していく中で、出会い系サイトなどを通して、見知らぬ異性とのつながりを求める人が増えてきているのではないかと言われています」

最近の特徴は、女性が多いことだそうです。

後藤「男性も増え続けていますが、ここ数年女性の増加が著しいです。若い女性の場合、妊娠してしまった段階で感染すると、母子感染の可能性があるということでとても心配されています」

検査は無料

早期発見が大事ですが、検査は簡単に受けられるのでしょうか?

後藤「愛知県の場合は、県下の保健所で匿名で無料で受けられます。ぜひお住まいの自治体にお問い合わせください」

予防はどうしたらいいでしょうか。

後藤「感染しないためには何が必要か、性交渉の時に何が必要か、正しい知識をもつ教育がこれから広まっていくことが望まれます。
不特定多数の異性との関係は非常にリスクが高い、ということを覚えておいて欲しいです」

多田「感染しているとわかったら、早期治療ですね」

後藤「薬で確実に治る病気ですから、心配な症状が出た時は医療機関に行ってください。
放置すれば、自分の病気も進行するし、他の人にも感染を広げることにもつながります。
早く治療することがいかに大事かと言えます」

梅毒というと昔の病気と思っている方も多いと思います。まずは正しい知識を持ちましょう。
(みず)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2022年04月25日07時20分~抜粋

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