多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

日本の研究で花言葉を変えた!多くの人を魅了する「バラ」

『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』の「石塚元章の金曜コラム」コーナーでは、CBC論説室特別解説委員の石塚が毎週、その時期に合った話題や気になったことをテーマに取りあげ、解説しています。

4月22日放送のテーマは「バラ」。

翌23日が「サン・ジョルディの日」で、女性は男性に本を贈り、男性は女性にバラを贈る日とされています。

[この番組の画像一覧を見る]

読めるけど書けない漢字

先ほど「バラ」とカタカナで書きましたが、バラといえば「読めるけど書けない漢字」の代表。

他にも「葡萄(ブドウ)」や「檸檬(レモン)」「憂鬱(ゆううつ)」などが挙げられますが、みなさんは漢字でバラを書くことができますか?

漢字では「薔薇」と書き、2文字とも薔薇以外ではあまり見かけない文字ですが、「薔」が垣根、「薇」が風にそよぐという意味なのだそうです。

古来からあるバラは小さくて、つるが何かに巻きついて咲いていくものですから、小さな花が風にそよぐ様を表しています。

また、薔薇の読み方は「バラ」以外に、短歌などでは「そうび」、「しょうび」とも詠まれ、現在の上皇后陛下が平成最後の歌会始では「今しばし生きなむと思ふ寂光に園の薔薇のみな美しく」と歌われました。

そして、薔薇という漢字が書けるか書けないかということで、かつて話題になったのが、1985年(昭和60年)に27歳という若さで亡くなられた、女優の夏目雅子さんが結婚された時のエピソード。

当時、作家の伊集院静さんと結婚された際、夏目さんに結婚された理由を聞いたところ、「薔薇っていう漢字をすらすら書けたから」と答えられたそうです。

ただし、のちに伊集院さんはとある対談で、このエピソードは否定されています。
 

日本に入ってきたのはいつ?

バラの歴史を紐解いてみると、原種はノイバラやハマナス。

日本では奈良時代に編さんされた『常陸国風土記』の中で、バラの元について記されています。

朝廷にいつまでも抵抗している豪族を打ち負かすため、トゲのあるイバラを使って城を築いたり、道をふさいだりしたとされています。

常陸国は現在の茨城県、「イバラ」の「城」で「茨城」の由来とされています。

地球上にはかなり昔から咲いていたそうで、紀元前12世紀にはすでにペルシャあたりで栽培されていて、薬や香料を目的としていましたが、次第に観賞用として栽培されるように
なりました。
 

歴史上の人物も魅了

見た目の美しさや香りの良さからか、バラを好む歴史上の人物が何人かいて、ローマ皇帝で暴君として知られたネロは、宴会で天井からバラを降らせていたそう。

また、クレオパトラも寝室で花びらを埋め尽くしていたといわれています。

世界史の授業で出てきたバラといえば、16世紀のイギリスで起きた「薔薇戦争」。

ランカスター家とヨーク家の争いですが、それぞれの紋章が赤いバラと白いバラ。

戦争終結後、テューダー朝は赤いバラと白いバラを混ぜた紋章を作り、今も「テューダー・ローズ」として、イギリス軍隊の部隊のマークなどに使われています。

そして、最もバラを愛したのではないかといわれるのが、ナポレオンの妻のジョセフィーヌ。

広大なバラ園を作らせ、世界各国からバラの品種を集めさせたそうで、その数は250種類ほどと言われています。
 

花言葉が真逆に変わった

歴史上の人物を含め、多くの人を魅了してきたバラ。

「バラ色の人生」と良い意味に使われる一方で、トゲがあることで怖い例えにも使われるという、不思議な花です。

そんなバラですが、最後に石塚はバラに関する良い話を紹介しました。

昔から自然界に青いバラは存在しないと言われていて、花言葉は「不可能」とされてきました。
ところが、約20年前にサントリーが世界初の青いバラを誕生させることに成功。

そのため、今や青いバラの花言葉は「夢叶う」となっているそうで、まさに夢のある話ですね。
(岡本)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
この記事をで聴く

2022年04月22日07時20分~抜粋

関連記事

あなたにオススメ

番組最新情報