多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

うるち米ともち米、何がどう違うの?

4月14日放送の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP•O•N』。
この日スタートした「愛ちゃんと田中先生」は、加藤愛アナウンサーが、甲南大学の特別客員教授 農学博士の田中修先生から植物全般に関するあれこれを学ぶコーナーです。

初回のテーマは「うるち米ともち米の違いについて」。
どちらも同じお米ですが、性質は全く異なります。知っているようで知らないこの2つの違い、ご存じですか?

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漢字から読み解く

まずはこの違いを漢字から読み解きます。

おもちを作るお米がもち米、ごはんで食べるお米がうるち米です。

うるちとは「硬くて粘り気のないお米」という意味。漢字では「粳」と書きます。

田中先生「“うるち米”と、わざわざ“米”を付けるんですけどね。“うるち”という言葉だけで“米”を表してるんです」

“うるち”だけで意味をなしているものの、もち米と対比してわかりやすいよう、わざわざ“うるち米”と呼ぶことが多いんだそう。

ではもち米は漢字で書くとどうなるでしょう。
加藤は「餅米」と推測しましたが、これは間違い。正しくは「糯米」と書きます。

餅は「丸くて平たい」という意味で、お餅になった時にしか使わない漢字です。
糯は「しっとりとした粘り気がある」という意味があります。
 

性質から読み解く

続いては性質の違いについて。お米には「アミロース」と「アミロペクチン」という2種類のデンプンが含まれています。

アミロペクチンが多ければ多いほど粘り気が出て、粘り気のある食感になります。
このアミロペクチン100%で構成されているのが、もち米です。

これに「アミロース」が入ってきたものが、うるち米。
その比率は品種によって変わりますが、日本で食べているうるち米は、約20%がアミロースです。

一般的に「もちもちしておいしい」と言われている“こしひかり”は、一般的なうるち米に比べてアミロペクチンの比率が高いということです。

田中先生「もち米とうるち米の違いは、デンプンのアミロースとアミロペクチンの比率の違いです」
 

まずい「鳥またぎ米」を品種改良

お米のおいしさはデンプンの比率によると判明してから、お米の品種改良が進んだ地域があります。例えば北海道です。

今はお米を一粒取って「アミロースが何%含まれているか」を調べることで、おいしいお米かどうか判断ができます。

お米がなかなか育たなかった北海道では、品種改良をして「寒いところでも育つお米」を作りました。しかし無理に作ったため「おいしくない」と言われていたのです。

その味の悪さから、お米をついばむはずの鳥もまたいで通る「鳥またぎ米」と呼ばれてしまっていました。

しかしこのデンプンの割合がわかってから、北海道の農業試験場が飛びつき、品種改良が行われました。

田中先生「だから今、北海道ではゆめぴりかとか、ななつぼしとか。こしひかりと張り合うような味になっています」

 

もち米を「蒸す」」理由

うるち米は炊飯器で炊きますが、もち米は水に浸してから蒸し器で蒸しあげます。この違いにはどんな意味があるのでしょうか。

アミロペクチンが多い場合、ねばねば食感を出すために水気をよく吸収します。

もち米をうるち米と同じように炊くと、水を吸収して柔らかくなってしまうため「ベチャベチャ」になり、熱も均一に伝わりません。

一方蒸す場合は、一度水に付けて適切な量の水を米に吸収させておき、その後せいろにのせて、水蒸気の熱で均一に過熱します。余分な水を吸収しないため、「もちもち」としたもち米らしいおいしい仕上がりになるということです。

「昔の人たちは、デンプンの比率がどうのこうのをわからなくても、炊くのが難しい、じゃあ蒸したらどうなるんだろう、とか。昔からもちをついてた人は立派だな」と感心した多田でした。
(minto)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2022年04月14日08時32分~抜粋

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