専門医が身近な病気のことをわかりやすく解説する『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』のコーナー「健康で生きる」。
4月のテーマは「腎臓」です。
ひとくちに腎臓といっても、わたしたちの身体の中でどのような働きをしているかわからない方も多いのでは?
ここでは大同病院(名古屋市南区)副院長で、腎臓内科主任部長の志水先生が、重要な臓器である腎臓の働きについて教えます。
4月13日放送分から。
腎臓の働きは血液のろ過だけでない!血圧の調整まで行う重要な臓器
他にも役割が
先週は腎臓の最も重要な働き、血液をろ過して、身体の中に溜まった老廃物や余分な水分などを尿として排泄することで、身体の中の水分の環境を良い状態に保っているというお話でした。
腎臓には他にもまだまだ重要な役割があるということから、今週のテーマは「腎臓の働きパート2」です。
志水先生「腎臓の重要な働きとして、血液をろ過して身体の中に溜まった老廃物や水分を排せつすることで環境を保っているのですが、2つ目の働きとして「血圧」の調整もしています。
腎臓は血圧を調整するホルモンを作り出しています。
腎臓では血液を濾して1日約155リットルにも及ぶ大量の尿の素を作っていますが、このろ過する力となっているのが血圧です。
ですから濾過機能が円滑に働くには、血液の流れが一定に保たれている必要があります。
そこで、腎臓では血液の流れが悪くなるとそれを感知して、レニンという酵素が分泌されます。
レニンは血液中のたんぱく質と反応してホルモンを生成して、血管を収縮させて血圧を上昇させます。
というように腎臓はレニンの分泌量を増減させて血圧を調整しています」
腎臓には他にもまだまだ重要な役割があるということから、今週のテーマは「腎臓の働きパート2」です。
志水先生「腎臓の重要な働きとして、血液をろ過して身体の中に溜まった老廃物や水分を排せつすることで環境を保っているのですが、2つ目の働きとして「血圧」の調整もしています。
腎臓は血圧を調整するホルモンを作り出しています。
腎臓では血液を濾して1日約155リットルにも及ぶ大量の尿の素を作っていますが、このろ過する力となっているのが血圧です。
ですから濾過機能が円滑に働くには、血液の流れが一定に保たれている必要があります。
そこで、腎臓では血液の流れが悪くなるとそれを感知して、レニンという酵素が分泌されます。
レニンは血液中のたんぱく質と反応してホルモンを生成して、血管を収縮させて血圧を上昇させます。
というように腎臓はレニンの分泌量を増減させて血圧を調整しています」
高血圧の原因に
多田「ということは、腎臓の機能が低下する=腎臓が悪くなると血圧が高くなってしまうということですか?」
志水先生「はい、そうなんです。腎臓で尿の素を安定して作るために血圧を一定にしているのですが、血液をろ過する量が減ってくると身体全体の血圧を上げて、ろ過する量を保とうとするのです。
腎臓の機能が低下して血圧のコントロールができなくなると、より血圧をあげてろ過する量を増やし、そしてより高血圧になるという悪循環に陥ってしまうわけです。
残念なことに、血液を濾して尿の素を作る糸球体は非常に繊細な構造で壊れやすく、再生することはありません。年齢とともに少しずつ減っていきます。
糸球体にダメージを受けると尿検査で血尿やたんぱく尿が出るようになります。
血尿は腎臓の糸球体が壊れている場合と、膀胱や尿の通り道の病気でも陽性になることがありますが、これらはさらに詳しい検査で見分けることができます」
志水先生「はい、そうなんです。腎臓で尿の素を安定して作るために血圧を一定にしているのですが、血液をろ過する量が減ってくると身体全体の血圧を上げて、ろ過する量を保とうとするのです。
腎臓の機能が低下して血圧のコントロールができなくなると、より血圧をあげてろ過する量を増やし、そしてより高血圧になるという悪循環に陥ってしまうわけです。
残念なことに、血液を濾して尿の素を作る糸球体は非常に繊細な構造で壊れやすく、再生することはありません。年齢とともに少しずつ減っていきます。
糸球体にダメージを受けると尿検査で血尿やたんぱく尿が出るようになります。
血尿は腎臓の糸球体が壊れている場合と、膀胱や尿の通り道の病気でも陽性になることがありますが、これらはさらに詳しい検査で見分けることができます」
血液検査でわかります
多田「自分の腎臓がどういう状態か、はたまた腎臓の機能の状態を知る方法はありますか?」
志水先生「健康診断や診察した時の血液検査で『イージーエフアール(eGFR)』という検査があります。
これは1分間あたりの尿の素を作りだす機能を表しており、またこの数値が腎機能を表しています。
60以上が正常とされていますが、現在の腎臓の機能をパーセントで表したものと考えると理解しやすいかと思います。若い時には100に近いですが、年齢とともに低下していきます」
多田「他にもまだまだ腎臓の働きはありますか?」
志水先生「骨を強くする働きです。骨を強くするためには骨にカルシウムが必須となります。
これには『活性型ビタミンD』というホルモンがあり、腎臓はこのホルモンを作る働きがあります。
そして、もう1つが血液中の赤血球を作る刺激を与えるホルモンを作っています。
このホルモンは酸素が少ない状態になると分泌されますが、腎臓が悪化するとこのホルモンが作られずに貧血となり、少し動いただけで息切れの症状や疲れやすさなどが起こりやすくなります」
腎臓の役割は尿を生成する以外にもさまざまなものがあるということを、改めて知ることができたお話でした。
来週のテーマは、「慢性腎臓病」についてです。
(海野優)
志水先生「健康診断や診察した時の血液検査で『イージーエフアール(eGFR)』という検査があります。
これは1分間あたりの尿の素を作りだす機能を表しており、またこの数値が腎機能を表しています。
60以上が正常とされていますが、現在の腎臓の機能をパーセントで表したものと考えると理解しやすいかと思います。若い時には100に近いですが、年齢とともに低下していきます」
多田「他にもまだまだ腎臓の働きはありますか?」
志水先生「骨を強くする働きです。骨を強くするためには骨にカルシウムが必須となります。
これには『活性型ビタミンD』というホルモンがあり、腎臓はこのホルモンを作る働きがあります。
そして、もう1つが血液中の赤血球を作る刺激を与えるホルモンを作っています。
このホルモンは酸素が少ない状態になると分泌されますが、腎臓が悪化するとこのホルモンが作られずに貧血となり、少し動いただけで息切れの症状や疲れやすさなどが起こりやすくなります」
腎臓の役割は尿を生成する以外にもさまざまなものがあるということを、改めて知ることができたお話でした。
来週のテーマは、「慢性腎臓病」についてです。
(海野優)
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