目が充血して赤くなっている時、何となく「テレビやスマホの見過ぎによって、疲れで赤くなっているのかな」と思うものですが、実際になぜ赤くなるのかはご存知でしょうか。
実は目が赤くなるのには、さまざまな理由があるそうです。
4月1日放送『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』では、中京眼科視覚研究所所長の市川一夫先生に、目が赤くなる理由について伺いました。
結膜炎の「結膜」って何?
こどもの頃、プールで泳いだあとに目が赤くなると「結膜炎じゃないか」と言われたりしたものですが、この「結膜」とは何でしょうか。
眼の白い部分は「強膜」という膜ですが、これは透けて見えているもので、その上に透明な「球結膜」がかぶさっています。
また、眼の検査でまぶたをひっくり返すことがありますが、まぶたの裏側には「けん結膜」があり、こちらも透明です。
では、結膜炎は透明な結膜自体が赤くなっているのかというとそうではなく、結膜にもあるごく細い血管が影響を及ぼしています。
普段は見えないぐらい細い血管ですが、目をこすると赤くなるのは、暖かくなって血管が拡張するためにたくさんの血液が流れて、目立つようになるためで、お酒を飲んで目が赤くなるのも血管が拡張するためです。
また、細菌が入ってくると排除しようとして炎症を起こしたりする場合も目が赤くなり、細菌と戦った結果、目ヤニとしてはき出しています。
放っておくと大変なことになる場合も
目が赤くなるのは血管が拡張するからということですが、では、赤くなってもそのままにしておいて良いのでしょうか。
市川先生「答えはノーです。
それはなぜかというと、10例中8、9例ぐらいはおそらく治る可能性がありますが、1番怖いのは本当に失明まで行くのがあるんですよ。
ウイルス性の場合はゆっくりなんですけど、細菌性いわゆる性病で目にくるんですね。
淋菌っていうんですけど、最初は結膜炎になって目ヤニがたくさん出だして『治りが悪い』って言っているうちに角膜に穴が空いて失明まで行っちゃうんですね。
正常な角膜というのは最近を通さないんですけど、淋菌だけは入っちゃうんですよ」
現在、若い方にも淋病などの感染が拡大しているという話がありますが、目から来る場合、抗菌剤を早い段階で使えば問題ないとのことです。
疲れると目が赤くなるのはなぜ?
また、夜勤などで疲れたあとに目が充血しているというケースもありますが、これはなぜなのでしょうか。
市川先生「疲れるというのは結膜が感じるわけじゃないんですけれども、普通は物を見る時に瞳孔、瞳が動きますよね。
あれが動いてピントを合わせたりするんですけど、手足を動かして疲れるとパンパンに腫れますよね。あれと同じことなんですよね」
物を見すぎると疲れて目が赤くなるということですが、先程のウイルスとは理由が異なるため、分けて考える必要があります。
特にウイルスが原因で赤くなる場合は視力低下につながる可能性があり、他の人にも移してしまうことも。
目が赤くなった原因がウイルスかどうかは、現在PCR検査(新型コロナで注目されましたが、もともとはコロナに限らずウイルスに関する検査のことを指します)ですぐわかるようになっています。
市川先生はあらためて念のために受診することを勧めました。
眼の半分が急に赤くなるのは
これまではウイルスで疲れなどで目がやや赤くなるケースでしたが、そのほかに急に目の半分だけが真っ赤になるケースも。
この症状は、また別の理由によるものなのでしょうか?
市川先生「これは『結膜下出血』といいます。
結膜と強膜との間が出血するんですね。
簡単に言えば、血管が切れて大出血する場合と、本当にちょっとしか出血しないので結膜炎と区別がつかない場合もあります」
原因はさまざまで、目をこすったり何らかの刺激を外から受けたことによるものだそうです。
自覚症状がないことが多く、人から言われて気づくことがあるほどですが、市川先生によれば、やはりこの場合も病院に行った方が良いとのこと。
多くは自然に治るものの、血小板の機能が低下してなかなか血が止められないという血液の病気であるケースもあるためです。
最後にあらためて市川先生は、繰り返し目が赤くなる場合や2、3週間経っても赤みが引かない場合、パソコンのしすぎやお酒を飲んだなど、思い当たる原因がないのに赤くなっている場合、目ヤニや涙がかなり出るという場合は、専門医にかかった方が良いとまとめました。
(岡本)
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2022年04月01日08時13分~抜粋