多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

セロハンテープの原料は意外なものと同じだった

暮らしに身近なセロハンテープですが、意外と知られていないのがその原料が何なのかということ。

何となくプラスチックのように透明なので石油からできている、あるいは何か化学的な物質からできているといったイメージはないでしょうか。

実は自然由来のあるものからできているんです。

3月24日放送『多田しげおの気分爽快!!~朝からP•O•N』では、セロハンテープの原料について、加藤愛アナウンサーが調査しました。

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セロハンテープの原料って何?

セロハンテープは、透明なセロハンの片面に接着剤を塗ったものですが、このセロハン製造の世界シェア7割を誇るのが日本の会社で、名古屋に本社のあるフタムラ化学という会社。

そこで、セロハンテープの原料を聞くならこの会社ということで、フタムラ化学セルロース営業統括の木田修さんに伺いました。

ズバリ、セロハンの原料は木材から作られたパルプ。

コピー用紙や雑誌の紙などの原料として知られるものですが、ここで新たな疑問が生まれます。

一般的な紙は白いのに、セロハンはなぜ透明なのでしょうか。

木田さん「セロハンの場合は平面が非常に平滑になってるんです。

例えていいますと、窓ガラスですね。
透明なガラスとすりガラスは同じ素材なんだけど、見えるものと見えないものがある。
この違いはガラスの表面が平滑でありますと光が直線的に透過しますので、向こう側が見えると。

逆にすりガラスみたいに表面がでこぼこしてますと、光が屈折していきますので相手側が見えないというところの違いで、それが透明な紙のセロハンと普通の紙と同じことですね」
 

セロハンの作り方

原料は同じということですが、作り方は異なるのでしょうか。

木田さん「製紙メーカーさんで木材からパルプが作られますけど、これをわれわれが購入いたしまして、それを薬品を使って白い個体のものから赤褐色のドロドロした液体に作りまして、その液体からまた透明なフィルムの個体に戻してあげるという形でセロハンができあがっていきます」

紙を作るよりも手間がかかっていそうですが、石油が原料であるフィルムなどと比べると、セロハンは価格が5倍ほどかかるそうです。

 

いろいろな所で利用されるセロハン

セロハンというと、セロハンテープ以外に「セロハン紙」といって、昔は包み紙などによく使われていましたが、最近はあまり見かけなくなりました。

しかし、セロハンは今でも身近なものに使われています。

木田さん「お薬を入れている袋、粉薬とか顆粒の薬をもらう長方形の袋で5、6個つながっているものってわかります?それがセロハンで使われてるんです。

なぜ使われているかというと、1つは縦でも横でも破れやすいもんですから、お子さんとかご老人、身体障がい者の方とか、簡単に取り出せられるようにセロハンが使われていると。

また、粉薬を飲む時に静電気が起きますと、オブラートに粉薬を移すことができないと。

セロハンの場合は静電気が起きませんので、すぐ粉薬をオブラートに一定量移し替えることができるという特徴が認められて、われわれの業界用語では分包紙といいますけど、それに使われたり、あとはチロルチョコなどお菓子の包装材ですね。

あれも見ていただくと『セロハン』って書いてあるんですけども、折り重ねた時に紙と同じようにきれいに折れるんですね。

プラスチックフィルムを折っても、跳ね返ってしまうのでうまく折れないんですけども、チロルチョコの台形の形にきれいに折れるということで、そういう機能性というところで使われています」

セロハンの特徴は、フィルムのようでありながら紙のような使い方ができるということです。

木田さんは最後に将来に期待される点として、「自然由来のパルプからできていて、土に還ることができるのでSDGsの理念にも合っているため、さらなる需要が増えるのではないか」ということを挙げられました。
(岡本)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2022年03月24日07時38分~抜粋

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