多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

くも膜下出血、寝たきり、失明…見逃せない異変とは?

3月21日放送の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』のテーマは「病気のサインを見逃すな!」です。

年齢が上がっても元気で過ごしたいものですが、どんなサインに気をつけたらいいのでしょうか?

大阪医科薬科大学病院の総合診療科特任教授の鈴木富雄先生に電話で伺いました。

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いつもと違う頭痛

まず、どんなサインに気をつけたらいいでしょうか?

鈴木先生「高齢者に多い病気の中でのちょっとした頭痛があります。これがくも膜下出血のサインです。

頭痛の程度は、人によってさまざまです。頭の中に今まで感じたことのないようなちょっとしたぐっと重いような感じ、あるいはある一瞬ズキンとくるようなタイプとか。

頭痛持ちの方はよく片頭痛といって拍動とともにどっくんどっくんとくるもの、あるいは緊張型頭痛といってうーっと締めつけられるようなものがありますが、それとまたちょっと違う感じです。

頭痛を持っている方が『いつもとちょっと違うな』と思うようなタイプの頭痛です」
 

くも膜下出血の前兆

どういう仕組みでサインが起こるのでしょうか。

鈴木先生「くも膜下出血はいわゆる脳動脈瘤、動脈の小さな塊ですが、これがポーンと破裂して、脳を包むくも膜の下にばーっと血液が流れ込んで出血するというものです。

これの1、2週間前に、前触れとしてちょっとその動脈瘤から血液が漏れるという現象があります。このとき軽い頭痛を感じることがあります。
呼び方によっては『警告頭痛』と呼ばれることもあります」

くも膜下出血は生命にかかわる大きな病気です。

鈴木先生「くも膜下出血はいわゆる脳卒中の中でも、亡くなる率が非常に高く、約半分の方が亡くなられます。社会復帰される方は約3割ちょっとで、注意が必要な病気のひとつです」

いつもと違う頭痛が起こったら要注意です。
 

リウマチ性多発筋痛症

他に気をつけるべきサインはありますか?

鈴木先生「これも高齢者に多い病気の前触れで、肩の痛みというのがあります。
よく肩こりとか五十肩の痛みがくることがありますが、肩の痛み、首から肩にかけてが急に痛くなって動かせないくらいの痛みです」

これは何のサインでしょうか?

鈴木先生「これはリウマチ性多発筋痛症のサインです。
リウマチとは全然違う病気です。リウマチとは手や足の関節の滑膜がやられて関節がどんどん壊れてくる病気です。

リウマチ性多発筋痛症は関節そのものはやられないです。
関節のまわりの滑液包という関節を包む膜、そのまわりの筋、腱、筋肉の炎症が非常に強くなるという病気です。

若い方はほとんどこれにかからずに、だいたい60、70、80、90になるにつれて、非常に疾患にかかる割合が高くなります。

肩と言いましたが、時々腰から太ももにも同じような症状が起こることがあります」
 

寝たきり、失明も

リウマチ性多発筋痛症がひどくなるとどうなるのでしょう?

鈴木先生「近くのお医者さんに行くと『肩や腰が痛いのですね、歳のせいですね』と言われて、シップや痛み止めで対応されるのですが、それではまったく治らない。
そして、痛くて寝返りもうてなくなるので、歩けなくなったり、手が上がらなくなったり、そうすると筋肉そのものが衰えてしまいます」

寝たきりのようになるわけですか?

鈴木先生「それもあります。もうひとつ怖いのは、実は血管にも炎症が波及することがあって、側頭動脈炎という病気を合併することがあります。

頭の横の血管にも炎症が波及するので、そうなると眼動脈という目に血液を送っている血管です。そうすると時に失明することもあります」

普通の肩こり、首を痛めたそういう場合も、対応してもらって治らない場合は、ちょっと大きい病院、専門の先生に診てもらった方がいいです」

多田「軽い頭痛とか肩の痛みとか、ともに普段とはちょっと違うレベル、質のときは気をつけましょうということですね」

鈴木先生「頭痛も肩の痛みも普段の生活の中で非常によくある症状です。『あれ、いつもとちょっと違う』という感覚が非常に大事です」
(みず)
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2022年03月21日07時21分~抜粋

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