多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

「とろけるスライスチーズ」はどうしてとろけるの?

朝食のトーストは楽しみ方がいろいろ。

オーソドックスなのはバターを塗ることですが、ジャムを塗る人もいれば、ハムをのせることも。

そして、スライスチーズをのせて焼くという楽しみ方もありますが、中でも「とろける」スライスチーズが人気ですが、普通のスライスチーズと比べて、どこが違うのでしょう。

何かとろけやすい成分が入っているのでしょうか。

3月10日放送『多田しげおの気分爽快!!~朝からP•O•N』では、加藤愛アナウンサーが「とろけるスライスチーズ」に迫ってみました。

[この番組の画像一覧を見る]

大きく分けてチーズは2種類

スライスチーズの話に入る前に、チーズの種類についておさらいしてみましょう。
雪印メグミルク乳食品事業部商品企画・推進グループのヤマウチさんにお話を伺いました。

チーズの種類は大きくナチュラルチーズとプロセスチーズに分かれています。
スライスチーズはプロセスチーズの一種ですが、この2つの違いはどこにあるのでしょうか。

ヤマウチさん「ナチュラルチーズというのは、チーズに乳酸菌や酵素を入れて固めたものなんですね。

一方、プロセスチーズというのは、そのナチュラルチーズを加熱して溶かして固めたものです。

製造工程の途中で一度熱を加えているので、ナチュラルチーズに入っていた乳酸菌や酵素が死んで、保存中に熟成が進むことがないので、ナチュラルチーズに比べて保存性に優れた製品になっています」

スライスチーズは、プロセスチーズを薄い板のように整形して個包装したものです。
 

とろけるチーズが伸びるワケ

では冒頭の質問に戻りますが、とろけるチーズと普通のスライスチーズの違いはどこにあるのでしょうか。

ヤマウチさん「原料として使用するチーズ、チーズを加熱する時の条件、そしてチーズの組織を整える乳化剤という副原料、それらに工夫がなされております」

原料のチーズと乳化剤の種類、熱の加え方が普通のスライスチーズとは違うということです。

なぜこの条件の違いで、チーズがとろとろと溶けてよくのびるのかについて、加藤がもう少し詳しく聞いてみました。

ヤマウチさん「原料として使用するナチュラルチーズの選び方です。

ナチュラルチーズにはタンパク質が含まれており、そのタンパク質は鎖のようにつながっていて、網の目状になっているんですね。

そのタンパク質の分解が弱くて、網の目が粗く残っている状態のチーズは、加熱すると糸を引くようにとろけます。
そして、その原料チーズを加熱して混ぜ合わせる時も、優しく行うことがポイントです」

毛糸をイメージするとわかりやすいのですが、毛糸の束を引っ張るとビヨーンと伸びます。

熱を加えたりしてタンパク質の分解が進んだチーズは、細かくちぎれた毛糸を固めた物のようなイメージで、そのような毛糸だと引っ張っても伸びません。

普通のスライスチーズは後者、とろけるチーズは前者の毛糸のようなものなのです。
 

温めずに食べても良い?

とろけるスライスチーズは、雪印メグミルクが1987年(昭和62年)に発売した商品。
買ってきてそのままの状態ではとろけないのですが、熱を加えて何度ぐらいになればとろけるのでしょうか。

ヤマウチさん「おおよそ60~70度ぐらいからとろけ始めてきます。
それ以下では柔らかくはなりますが、とろけるとまではいかないと思います」

ちなみに、そのまま熱を加えずに食べても良いものでしょうか。

ヤマウチさん「とろける状態で食べることを前提としたチーズなので、加熱した方がよりおいしいですが、もちろんそのままでもおいしくお召し上がりいただけます」

当然食べることはできますが、やはり温めたようがおいしさが引き立つようです。
(岡本)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
この記事をで聴く

2022年03月10日07時40分~抜粋

関連記事

あなたにオススメ

番組最新情報