多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

「重曹」の秘密。調理用と掃除用はどう違う?

汚れを落としたり、臭い消しとしても使ったりする重曹ですが、一方ではペーキングパウダーに含まれ料理にも使われるという、よく考えてみると謎の物体です。

2月24日放送『多田しげおの気分爽快!!~朝からP•O•N』では、「食用と掃除用に違いはあるのか」や、「そもそも正体は何なのか」など、加藤愛アナウンサーが重曹について、専門家の方にあれこれと聞いてみました。

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重曹の正体は?

お話を伺ったのは、名古屋工業大学名誉教授の齋藤勝裕先生。

まずは「重曹って何?」という基本的な質問をしたところ、齋藤先生は「重曹ってのは、化学的にいうと『炭酸水素ナトリウム』です」と回答されました。

化学式では「NaHCO3」と表され、ナトリウム・水素・炭酸ガスが混ざった物質です。

化学式が出てくると、何やら人工的に作られるように聞こえるかもしれませんが、自然界に普通にあるもの。

市販されている重曹は白い粉のイメージが強いですが、重曹は水に非常に溶けやすいため、雨や地下水に溶けている状態で存在しているそうです。

1791年(寛政3年)にフランス人化学者のニコラ・ルブランという人が重曹の製法を発見し、後に大量生産されるようになったのですが、もともとは何のために使っていたのでしょうか。

齋藤先生「具体的には炭酸水ですよね。水に溶かして炭酸飲料の元として使われたわけですね」

重曹は炭酸水素ナトリウムのことですが、一般的には重炭酸ソーダとも呼ばれます。
 

パンが膨らむ理由

次の疑問ですが、重曹はスーパーの食品コーナーに置かれているものと、洗剤コーナーに置かれているものの2種類がありますが、これらに違いはあるのでしょうか?

齋藤先生「化学的にはまったく同じものです。
ただ、純度が違うというか、純粋な物は食べ物や飲料に使われますけど、不純物が混じると食べられなくなると、それだけの話です」

質が良いものが食用の重曹ということのようです。

では、その食用の重曹、ふくらし粉やベーキングパウダーに多く含まれる物ですが、なぜ重曹を入れるとパンは膨らむのでしょうか。

齋藤先生「重曹を加熱すると分解して炭酸ガスが出るんですね。
炭酸ガスは二酸化炭素、CO2のことですけど、これが気体だから、例えばパン生地の中に重曹を混ぜて加熱すると、重曹が分解されて二酸化炭素の泡が出るわけです。

これがパン生地を膨らませて、パンが泡だらけの状態になるわけです」

パンを切って横から見ると、よく穴があいてますが、これは二酸化炭素の泡が原因だったということです。
 

汚れが落ちるしくみ

では、重曹のもう1つの使い方ですが、なぜ重曹で汚れが落ちるのでしょうか。

齋藤先生「重曹はアルカリ性の物で、水に溶かすとアルカリ性の溶液になって、それが酸性の汚れと中和して、酸性の汚れを分解するということになります」

具体的には油汚れなどの頑固な汚れや、汗の臭いを落とすことに効果があるそうです。

また生ゴミの臭いを消してくれるのも、生ゴミが酸性の性質を持っているからで、これらを中和して無臭の中性にする効果もあるようです。

さらに重曹は研磨剤としての役割も果たすそうです。

齋藤先生「重曹は結晶で細かいかたまりということになるんですね。

細かいかたまりの重曹は非常に硬いので、クレンザーと同じ役割をして物理的に落とすということになります」

さまざま役割を持つ重曹は、あらためて便利な物だということがわかりました。
(岡本)
 
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2022年02月24日07時43分~抜粋

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