2月14日放送の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』では、「日本音の旅」と称して、全国各地の独自の音を紹介しています。
この日は沖縄西表島(イリオモテジマ)の生き物の声です。
数多くの生物が住んでいることで知られる西表島ですが、真っ先に思い浮かぶのはイリオモテヤマネコ。
島に流れるシイラ川周辺の亜熱帯林の生き物の声が今週の音です。
ジャングルの生き物の声?
「ピュー、ピュー。ホホー、ホホー。カカカカカ。ギロギロ…」
聞こえてくる様々な生き物の声。亜熱帯ですが、熱帯のジャングルの生き物の声のようです。
西表島の生き物について、多田が沖縄県の竹富町の西表野生生物保護センターの官野愛(かんのあい)さんに電話で伺いました。
今の気温は18.4度。日中は20度を超えそうですが、島の人にとってはちょっと寒い気温だそうです。
鳥やカエルの声
西表島にはたくさんの川があって、その川の上流にのぼると両岸にいわゆるマングローブの林があります。そこにたくさんの生き物がいるのでしょうか。
官野さん「地元ではトントンミーと呼ばれるハゼの仲間。日本でいちばん大きな二枚貝、シレナシジミがたくさんいます。上空では、カンムリワシやミサゴ、サギの仲間、ツバメの仲間などの鳥がたくさん羽ばたいていますよ」
さっきの声の多くは鳥の声でしょうか。
官野さん「今聞いたところだと、カエルの鳴き声も多かったようですね。
西表島には在来とよばれるもともといるカエルが8種類います。そのすべてがほとんど日本でも八重山諸島、この地域でしか生息してない種類です。
特徴的なのがヤエヤマヒメアマガエル、楽器のギロみたいな音がします。
アイフィンガーガエルはピッと金属がはねたような音がします」
これらの声は電話を受ける直前まですぐ後ろで鳴いていたそうです。一日中どこからか生き物の声が聞こえてくるようです。
夏は早朝
官野さんは、春夏秋冬、昼夜、生き物の声ではどの時間帯が一番好きでしょうか?
官野さん「一番のおすすめは夏の未明から早朝の時間帯です。真っ暗な時間にはリュウキュウコノハズクというフクロウの仲間の鳴き声や、ヤエヤマオオコウモリという大きなコウモリの羽ばたき音が響いています。
空が白んでくると、リュウキュウアカショウビンという鳥やリュウキュウサンコウチョウという昼の鳥に入れ替わっていきます。
空もどんどん明るくなっていって、その時間はとても神秘的です」
世界最小レベルの島に
もともと福島県の出身という官野さんはこの仕事についてまだ2年ほど。
やはり西表は特別な場所なのでしょうか?
官野さんは「ヤマネコが生きていける面積としては世界最小レベルの島です。日本にもこれだけ世界に誇れるような自然があるということはぜひ誇っていただきたいし、見ていただきたいです」と胸を張ります。
ルールを伝える
野生生物保護センターということは、イリオモテヤマネコも減ってきている、それを保護するお仕事なのでしょうか。
官野さん「野生動物を保護したり治療したりという仕事もしていますが、同じくらい重要なのが、島の自然を守るためのルールを伝えることだと思っています。
いろんな手続きやどうやったら自然とうまくやっていけるかを、観光客、島民の方にお伝えするのも私たちの仕事になっています。
西表島のすごいところは、昔からいる方が非常に自然を大切にして生きていることだと思います。
島の恩恵で生きてきたという意識があるのだな、と会話の端々で感じます」
イリオモテヤマネコの鳴き声
ところで、イリオモテヤマネコの鳴き声が気になります。
官野さん「実は『にゃあ』とは鳴きません。基本的に野生の獣なので鳴き声をあげることはありません。
先ほどコーコーと鳴いていたリュウキュウコノハズクはオスで、メスが『みゃあみゃあ』と鳴きます。これをヤマネコの鳴き声と勘違いされることがあります」
多田「この中にいると、何千年、何万年の流れがあって今があると感じますね」
官野さん「その流れのひとつだとよく感じます」
西表野生生物保護センターのホームページ(https://iwcc.jp)には、イリオモテヤマネコの写真や情報をはじめ、西表島の美しい自然が楽しく紹介されています。西表の大自然を感じてみてはいかがでしょうか。
(みず)
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2022年02月14日07時37分~抜粋