多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

意外と奥深い!「西」にまつわるトリビア

『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』の金曜日に放送されている「石塚元章の金曜コラム」。

CBC論説室特別解説委員の石塚が1つのキーワードを切り口に、話のネタになるような情報を伝えています。

2月4日は語呂合わせから、「西」をテーマに解説しました。

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「西」の語源は何?

「西」という言葉にも語源がありますが、元は居なくなるという意味の「去ぬ(いぬ)」という言葉にたどり着きます。

この名詞形が「去に」で、方向を表す「し」が付いて「いにし」、その後ろを取って「にし」となったのが有力なのだそうです。

では、西に何がいなくなるのかというと、もうお気づきの方も多いでしょうが、太陽が西の方角に沈んでいなくなることから来ています。

また、琉球では東が「あがり」、西が「いり」と呼ばれていて、こちらも太陽をベースにした考え方。

西表島を「いりおもてじま」と呼ぶのでも有名ですね。

これは日本だけの考えではないそうで、英語圏で東洋を表す「オリエント」という言葉に対し、西洋は「オキシデント」といいますが、これはラテン語で「太陽が落ちるところ」という言葉から来ています。
 

この場所は西か東か

次に石塚は、南北とは異なる東西ならではの特徴を挙げました。

それは、北や南には端っこがあるのに、東西には端っこがないということ。

例えば、日本から北に向かってまっすぐ進んでいくと、北極にたどり着きますが、その後は南へ下って行くことになります。

しかし、日本から西に行っても戻ってくるだけ。
地球の地軸に関係しているのでしょうが、西の限界というものはありません。

そうすると、どの場所を基準にするかによって西か東かは変わります。

仏教はインドで生まれ、中国、日本へ伝わりましたが、日本から見ると極楽は西の方にあるので「西方浄土」。
ヨーロッパの人からすると、「東方浄土」といえなくもないです。

また、第二次世界大戦後、長らく東西冷戦の状態が続きましたが、この東西はまさに分断された場所を基準にした東と西で、ベルリンの壁がその象徴になっています。
 

名字で多い方角は?

北野さんや南田さんなど、方角が付いた日本人の名字は多いですが、名字研究家の森岡浩さんによりますと、東西南北の中では圧倒的に西がつく名字が多いそうです。

中世に侍が領主になる際、できるだけ良い場所を選びたいということで、攻められにくい谷間をよく選んだのだそう。

そこで入口が東や南を向いていると日当たりが良いとし、さらに領主は1番良い場所に住むので、入口近くに居を構えました。

入口より奥に農民が住むことになるので、領主が東側に住んでいれば農民は西側に住む、そこで田んぼに近い場所なら西田さん、山に近ければ西山さんとなりました。

先程の話と同じく、どこが基準になるかによって西か東かが決まり、このケースでは領主の住む場所が基準となっているわけです。
 

国技館のトリビア

相撲の土俵には東と西があり、西の方が格下となりますが、これは「天子は南面す」という考え方があり、南に向かって座られた場合、左側が東、右側が西となります。
太陽が上がってくる方が上、下がる方が下ということで、西は下というわけです。

ただし、国技館の土俵の東と西は、本当の方角では北と南方向に作られています。
これはなぜかというと、天皇陛下がご覧になられる貴賓席が実際の方角では西側に作られているため。

東側に向かうことになりますが、本当は南に向かっていないといけないので、便宜上、本当の方角では東であるところを南とみなして、土俵の東西を決めたためです。

そのため、東と呼び出していても、実際は北から来ているのです。
(岡本)
 
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2022年02月04日07時22分~抜粋

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