多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

知ってました?門松なのに「竹」の理由

CBCの加藤愛アナウンサーが素朴な疑問を尋ねる『多田しげおの気分爽快』「知ってるつもり」。

12月29日放送分では「お正月にはどうして門松を飾るの?」という疑問を、甲南大学特別客員教授で農学博士の田中修先生に尋ねました。

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松はシャレ?

田中先生「お正月には、その年の豊作と一年の幸せを叶えて下さる神さんが空から降りて来はんのです。その時の目印になるように、門に飾るのが門松なんです」

”門”に飾る”松”だから”門松”ということでした。
松という名前には、神様が降りて来るを「待つ」という意味があると言われているんだとか。

田中先生「『あなた待つのも まつのうち』って歌が昔ありましたけども、ほんまに『待つ』ていう意味があるんです。誰がシャレたんかわかりませんけども」

田中先生が例に挙げたのは、昭和39年(1964年)に発売された、二宮ゆき子さんの「まつのき小唄」です。
 

目印は何でもいいの?

神様が降りて来るための目印なら、松以外でもいいような気がしますが、そういう訳にはいきませんでした。

「やっぱり待ってますという思いを込めての松(待つ)。そして松の様に縁起が良くなかったらあきませんよね、お正月やから」

松は冬の寒さの中でも緑が絶えない木です。
そのため昔の人は、永遠の命の象徴として崇めてきたんだそうです。

「永遠の命」は「長寿」に結びつけられ、松はお正月にふさわしい縁起が良い樹木とされたということです。
 

門”松”なのに、なぜ竹が?

門松というと、斜めに切った三本の竹、その背後や周囲に松が飾られているイメージを抱く人が多いでしょう。
門松には、なぜ竹があるのでしょうか?

「竹も松と同じように、冬でも緑に輝くんですね。そして風が吹いても雪が積もっても、しなって耐えるし、寒さの中でもすくすく伸びます。
その姿が忍耐強さとか誠実さを象徴するんですね。だから松と同じように立派な木と言うんです」

そんなわけで竹も松と同様に縁起の良い木。竹の縁起のよさは地面の下にありました。
 

一族繫栄

まずは筍の話から。普通の筍は、孟宗竹という竹の筍だそうです。

筍は一日に1メートル以上の成長速度で、他の植物とは比べ物にならないほど成長します。
その理由は、筍は周りの竹と地下茎で繋がっていて、周りの竹が栄養を送ってくれるからなんだとか。

竹が筍の時は、まだ緑の葉が出ていないので光合成ができません。しかし周りの竹は背が高くなって、太陽光の当たるところに葉を展開して光合成で栄養をどんどん作っています。

「竹はその栄養を、地下茎を通して、自分の新しい子供に注ぎ込むんです。で、筍はどんどん早く大きくなって、皆と同じ背丈のとこまで行ったら止まります。それ以上いったら、他のを陰にしてしまって迷惑かけるしね」

筍は、みんなと同じような竹になると、光合成して、次の子供に地下茎を通して栄養を送ります。

田中「そうやって、竹林ってどんどんどんどん大きくなっていくんです」
加藤「竹も思いやって育ってるんですね」
田中「一族が繁栄してる典型的な姿ですね」
加藤「確かに!」

「竹林は全ての竹がみんな地下茎で繋がってて、親兄妹姉妹なんですね。だから竹林は一族の繁栄を象徴しているんです。そういう思いを込めて、お正月に松と一緒に飾るんです」

これが門松に竹が利用されている理由だそうです。
(尾関)
 
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2021年12月29日07時22分~抜粋

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