多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

論説委員がピックアップした2021年の4大ニュース

いよいよ年の瀬。CBCラジオ『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』では、2021年のできごとを振り返っています。

12月28日の放送では、CBC論説室の後藤克幸特別解説委員が報道に携わる中で印象に残ったニュースをピックアップしました。

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熱海の土石流災害

今年のニュースで後藤委員が最も印象に残ったものとして、7月に静岡県熱海市で発生した大土石流の災害を挙げました。

熱海市の逢初(あいぞめ)川で起きた災害です。大量の土砂が幅120m、長さ1kmに渡って流れ落ち、死者26人、行方不明1人、全壊家屋53棟という大災害となりました。
報道では様々な位置からのSNS投稿動画が放映されました。

後藤「以前はなかなかその現場の映像が手に入らなかったのが、今はスマホであらゆる方があらゆる角度から映像が撮れます」

原因について語る後藤委員。

後藤「これは明らかに人災ですね。防災対策が不十分な盛り土が上流で行われていて、下の住民は知らないです。遺族は、盛り土を形成した土地の所有者を殺人罪で告訴しています。

その主張としては、不適切な盛り土によって下流の住民が死亡するおそれがあったことを認識しながら、行政の中止要請も無視して土砂の搬入を続けた。これは過失ではすまされない、悪質な犯罪だとおっしゃっています」

その後の影響はあったのでしょうか?

後藤「今月になって政府が全国の盛り土の現場を総点検しています。28,000カ所余を総点検した結果、無許可の盛り土が740カ所以上、災害防止措置が確認できない危険な盛り土も657カ所ありました。

来年に向けて、危険な盛り土の情報公開と全国一律の安全基準を確定してもらって、それを無視したり従わなかった時は、罰則を伴うような法律を制定すべきではないかと思います」
 

リコール署名で大量偽造

続いて後藤委員が「民主主義の根幹をゆるがすような事件」として挙げたのは…

後藤「愛知県知事のリコール署名で、大量の偽造された署名が見つかっていることです。自治体のトップをやめさせるという民主主義にとっては重大な主張のための署名運動、これを偽造してはいけない。

選挙で選ばれた市長をやめさせるための署名ですからすごく重いものです。
80%以上が無効で偽造された署名の疑いがあることを県選管が発表した。5月には署名団体の事務局長が組織的な偽造を指示していたと逮捕されました。

さらにそのリコール運動を呼び掛けた、高須クリニックの院長、河村名古屋市長がどこまで関与していたのか、あるいは、どういう説明責任をするのか。
民主主義の手続きについて非常に重要な事件ですから、全容解明と説明が求められます」
 

新しい皇室観

次に挙げたのは、小室圭さんと眞子内親王の結婚。
賛否両論が渦巻いてメディアの加熱報道がありました。

後藤「10月にお二人揃っての結婚会見が行われた時に、眞子さんの毅然とした態度が印象に残りました。これは好感を持つ人、反発をする人、評価は分かれています。

ある専門家は、女性皇族に対して、結婚、出産、育児など生活の場面に直面することから、どうしても社会から皇族を対象とした批判のターゲットになることが多かったと指摘しました。日本の皇族は常に家族の理想であるべきという皇室観があります。

しかし、眞子さん、佳子さまの姉妹は、開かれた王室であるイギリスにも留学の経験があって、もう少し自由で新しい皇室観をもっておられるのかな、という印象を受けました。

自分の意志で選んだ人と結婚する、何が悪いの、基本的人権でしょう、というようなニュアンスが感じられて、新しい女性の皇室のあり方に対して何らかのメッセージを社会に発していたのではと見ていました」
 

藤井聡太四冠

そして最後に、来年に繋がる明るいニュースとして挙げたのは…

後藤「将棋の藤井聡太さんです。11月に竜王のタイトルを獲得して四冠、史上最年少19歳3ヵ月です。これは羽生さん22歳9ヵ月の記録を更新しています。

日本の将棋界には8つのタイトルがありますが、藤井さんはその4つを持っていて、来年1月には王将戦に挑戦者として挑みます。渡辺明さんも王将、棋王、名人と3つのタイトルを持っていて非常に強い。期待が膨らみます」

今年もコロナの影響が大きかったですが、来年はいいことがたくさん起きることを願っています。
(みず)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2021年12月28日07時21分~抜粋

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