多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

2021年の国際情勢はどう変わったのか

12月23日のCBCラジオ『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』では、この1年の「国際情勢」について、世界各国がどのような状態になっているか、どのような国際的な出来事があったのかを、CBC論説室の北辻利寿特別解説委員に尋ねます。

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アメリカ、バイデン政権へ

多田「中心になるのはアメリカ。それから対立軸となる中国の動きでしょうか」

北辻「今年はソビエト連邦崩壊から30年です。アメリカはこれまで世界で唯一の超大国と呼ばれてきました。そこへ中国が対抗してきた。

アメリカは1月、トランプ政権からバイデン政権に変わりました。
バイデン大統領は『われわれの国を結束させることに全力をあげる。同盟関係を修復して、世界にかかわっていく』と言っています。これはトランプ前大統領の自国第一主義からの180度の転換です」

トランプ前大統領によってアメリカは分断されたとも言われています。それをひとつにしよう。ほかの国々とのお付き合いをもう一度取り戻そうとしているのです。
 

バイデンのオセロゲーム?

北辻委員は「私は今年を『バイデンのオセロゲーム』と名付けたい」と言います。

「バイデン大統領がトランプ前大統領の政策を次々ひっくり返していく。
たとえば、地球温暖化対策のパリ協定がありました。トランプさんは脱退しましたが、それは即刻復帰しました。
WHOからの脱退手続きを進めていましたが、それも中止しました。
核軍縮の条約も5年延長したり、中東和平の問題でも、パレスチナの支援を再開して、ユダヤもアラブともしました」

多田「これはオバマ政権がやっていたことを、トランプさんはオセロゲームで返した。それをまたひっくり返した。オバマ政権のころの副大統領ですから、当然かもしれません」

北辻「それを世界が見守って影響を受けていくわけです」

多田は「だいたいにおいて、オバマ、バイデンさんの政策の方が安心感がありますよね」と感想をもらします。
 

中国との緊張関係

しかし、バイデン大統領がひっくり返さなかったものがひとつあります。それが対中国との関係です。これは対立したままです。

北辻「先月、米中首脳会談を、オンラインですが、ちゃんと顔を見てやっています。
バイデン大統領が副大統領だったとき、習近平国家主席は副主席だった。旧知の仲でした。
しかし、にこやかなわりには、3時間半緊張していました。

一番大きいのが台湾問題です。
中国は台湾の独立は認めないといい、アメリカは今の政権を支持してこれは譲れないと言っている」

多田「ヨーロッパもそういう方向に傾いてきていて、台湾問題は来年ももっと深刻になるかもしれませんね」

北辻「アメリカ議会の調査委員会が、『台湾海峡をめぐるのは危険な不確性の時代に入った。中国の台湾上陸にそなえて、多数のミサイルをインド太平洋地域に配備すべき』という発言も出ています」

多田「ドンパチが始まるかも。中国は武力を行使してでも台湾に上陸してここを北京化したいわけですね」
 

オリンピックが終わったら

ただ、すぐに北京で冬のオリンピックがあるので、ここまでは中国もおとなしくしているでしょう。

北辻「すでにアメリカが外交的不参加を表明しています。これはかなり重いです。これにオーストラリア、カナダ、イギリスが追随しています」

多田「ということはオリンピックが終わった後、ですね」

北辻「来年秋にはアメリカ中間選挙があります。アメリカの世論は中国に対して強硬な姿勢にでろという意見が多く、89%が中国が敵、競争相手というデータがあります。バイデンさんは対中国に対して強い姿勢を見せ続けるしかないです」

多田「今年一年を振り返ると、アメリカは対中国政策が厳しくなってきた。これが顕著に表れた年であり、それは来年ますます顕著になっていく可能性は十分にある」

北辻委員は「そしてアメリカの動きを世界が見守る年が続くでしょう」と締めました。
(みず)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2021年12月23日07時21分~抜粋

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