多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

大人になっても苦手…注射が痛いと感じる理由

こどもの頃、苦手だったものの1つに注射があり、大人になっても苦手意識が消えないという方も多いのではないでしょうか。

最近では新型コロナのワクチン接種で多くの方が注射を経験したと思われますが、注射をしてもときどき痛くないという場合も。

これは看護師さんが上手かどうかによるのでしょうか、それとも注射器の性能が上がったのでしょうか。

12月9日放送『多田しげおの気分爽快!!~朝からP•O•N』では、「注射が痛かったり痛くなかったりするのはなぜ?」という疑問に対し、加藤愛アナウンサーが調査しました。

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なぜ注射をすると痛く感じる?

まずは、「なぜ注射をすると痛く感じるのか」について、自然科学研究機構生理学研究所名誉教授の柿木隆介先生にお話を伺いました。

柿木先生「皮膚にはいろんな神経が通っていて、その中で痛みに対してだけ感じる神経がありまして、注射針を打ったちょうどその皮膚の面積よりも、ぎっしりと痛みの末端神経がありますので、どうしても痛いんですよ」

痛みを感じる場所のことをよく「痛点」といいますが、いくら注射針が細くなったとしても、どうしても痛点は避けられないようです。

ただ、それでも痛くないと感じる時があるのは、いくつかの理由があるそうです。

柿木先生「痛みに一番関係するのは、例えばそこにばっかり集中してて、痛みが嫌だと思っていたらものすごく痛いんですよ。

ところが、例えばベテランの看護師さんが『今日天気いいわね。外明るいわね』みたいな話をして、ふっと窓の外を見ててポッと打たれたら、あんまり痛くない。

痛む刺激に対して、よく注意してるかどうかなんですよ。注意が外れてると、わりと痛くない」

 

ケガをしても試合続行できる理由

気を逸らす以外にも、痛みを感じにくい方法があるそうです。

柿木先生「痛みに対して他の刺激を同時に与えたりすると、かなり痛みは軽くなるんですね。

1番効くのは運動ですね。走ってたりすると、痛みはかなり軽くなるんですよ。
運動すると、動いてるぞという信号が伝わりますよね、痛みやかゆみもそうだし。

脳というのは、同時に来るとどれが一番重要か決めていくんですよ。

一番重要なのは運動で、筋肉や関節が動くという情報がどんどん脳に行くわけです。
その次は触覚で、その下に痛みが来て、かゆみが来るんですね」

例えば、スポーツ選手が試合中にケガをした場合、すぐに復帰して動き続けますが、試合が終わると実は骨折していたということが判明するというのは、試合中は骨折の痛みよりも運動の方が脳では優先されているからといえます。
 

痛みは人間にとって必要

痛いことを経験するのは嫌で、できるだけ痛みは感じたくないというのが普通ですが、実は、痛みは生きていくために必要なものなのだそうです。

柿木先生「例えばケガをした時、普通は痛いってわかりますよね。

痛みがないと、ケガをしたことがわかりませんので、放ったらかしにするわけですよ。
そうすると、どんどん化膿したり出血がひどかったりするわけです。

痛みは警告信号ですごく嫌なものだけど、痛みがないと人間が死んじゃいますね。
あるいは非常にひどい状態になっても気づかないことになりますね」

ケガの痛みは必要ですが、注射の痛みは避けたいもの。
痛いかどうかは、その時に気にしているかどうかによるそうです。
(岡本)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2021年12月09日07時41分~抜粋

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