多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

世界最速のエレベーターは日本企業製、時速何km?

住んでいるマンションや勤めている会社、遊びに行くデパートなど、あらゆる場所にあるエレベーター。

私たちの生活になくてはならないものですが、意外と知られていないのはその歴史です。

12月8日放送『多田しげおの気分爽快!!~朝からP•O•N』では、CBC論説室の北辻利寿特別解説委員がエレベーターの歴史について解説しました。

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日本初のエレベーターはどこにあった?

エレベーターは機械式のイメージが強く、ここ100年ぐらいのものかと思いきや、実は発祥は紀元前のギリシャにまでさかのぼります。

発明したのは有名な数学者のアルキメデス。

紀元前236年、滑車とロープを使い人力で荷物の上げ下ろしをしたのが、最初のエレベーターとされています。

その後かなりの年月を経て、ワットが蒸気機関を動力に用いたエレベーターを1835年に発明し、大きな進化を遂げます。

西洋で発明された電動式エレベーターがやがて日本に入ってきますが、それは1890年(明治23年)のこと。

東京の浅草にあった地上12階建てで八角形をしたユニークな建物の凌雲閣に導入。
各階にお店があり、12階が展望台となっている造りは、当時としてはかなり先進的な建物でした。

エレベーターは1階から8階へ直行し、赤と黄の2台を設置。
1台の広さは3畳ほどで10人乗り、中には腰掛けや姿見もあり、高級なイメージがあります。

しかし、警察からエレベーターは危険だと注意され続け、わずか半年で運行は終了してしまったそうです。

さらに1923年(大正12年)には関東大震災で凌雲閣は大きな被害を受け、残念ながら取り壊されてしまいました。
 

速さでリードする日本

エレベーターは西洋で生まれたものですが、日本の技術がエレベーターを飛躍的に進化させます。

1978年(昭和53年)池袋にできて当時話題となった高さ240mの「サンシャイン60」にエレベーターが設置されましたが、その速さは分速600m、時速だと36km。
当時は世界最速で、ギネスブックにも載りました。

その15年後となる1993年(平成5年)、横浜ランドマークタワーに設置されたエレベーターの速さは分速750mで時速45kmで、世界記録を塗り替えました。

2004年(平成16年)には舞台は海外に移り、台湾の「TAIPEI101」という建物で分速1,010m、時速60kmを超えるエレベーターが登場。

さらに2016年(平成28年)、中国の「上海中心大厦」という高層ビルに分速1,230m、時速は74kmとなるエレベーターで記録を更新。

2019年(令和2年)には中国の広州市に分速1,260m、時速75mを超えるエレベーターが登場。

実はこれらのエレベーターは、すべて日本の会社が製造したもの。
世界のエレベーターは日本が牽引しているといっても過言ではありません。
 

速さだけじゃない

ただ、上がる時の速さも重要ですが、実は高度な技術が必要なのは、下がる時にスピードを抑えること。

しかも、途中の階に止まる時もいきなり止まるのではなく、滑らかに止める必要があります。

昔、エレベーターの快適さを表すのに、中で10円玉を立てて、エレベーターが動いても倒れないという検証映像がありましたが、それだけ衝撃がなく快適に動いていることを示しているというわけです。

最後に北辻委員は、「日本企業によるエレベーターの開発競争、その技術は世界が刮目し、『さらなる高み』を目指しています」と、エレベーターらしくまとめました。
(岡本)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2021年12月08日07時41分~抜粋

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