ガソリンなどの値段が上昇しています。原油の値上げが原因といいますが、ガソリンの価格には税金が多く入っています。
11月30日放送の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』では、「ガソリンの税金」を取り上げました。
ガソリンの価格の仕組みはいったいどうなっているのでしょうか。
CBC論説室の北辻利寿特別解説委員がスタジオで解説しました。
1リットル72円の税金
現在レギュラーガソリンは1リットル170円前後くらいの値段です。そのうち税金は何円でしょうか?
北辻「72円です。4割以上が税金です。98円がガソリンそのものの値段。原油の値段とか、それを精製する費用とか、運ぶ費用とか入れて98円です」
今は1リットル170円だから4割が税金ですが、1リットル120円だった時は、72円が税金だったら6割くらいが税金となります。
ガソリンの価格に占める税金の多さにびっくりしてしまいます。
税金の二重取り?
また、この72円の税金は、大きく3つに分かれているようです。
北辻「まずガソリン税が53.8円。2008年から決まっています。石油石炭税が2.8円。消費税が15.5円。足して72.1円です」
ここで疑問が起きます。
多田「消費税です。税金に対してまた税金をかけていいものなのか。これずるいですね(笑)」
北辻「ガソリン税と石油石炭税に消費税がかかっていますから、税金二重取りではないかという声もあります。
消費者に販売する時にかかるものが消費税という理屈です。石油業界はこれに反対しています」
確かに、税金をとられ、それにまた消費税がかかるとは納得しにくいことです。
ガソリン税は二重構造
その他の問題点はあるのでしょうか。
北辻「ガソリン税53.8円は二重構造になっています。本来の税金が28.7円です。その他に上乗せ分がある。二階建てになっています。
もともとガソリン税は、道路整備の財源として使われる目的で、1952年にできました。日本に有料道路の制度ができた時です」
北辻委員は、「自動車を運転して道路を使うでしょう。そうしたら道路整備のお金を一部負担しなさいよ、ということです」と説明します。
ガソリンの上乗せ税とは?
これがガソリン税の本税の方です。上乗せ税とはどういうものでしょうか。
北辻「1974年に上乗せ分ができた。この頃は、どんどん道路を作らないといけない時期でした」
このようにガソリン税は、もともと50年代にでき、70年代に上乗せされました。
道路が必要というのは、一応納得できるとしても、現在もう道路はほぼ出来上がっています。
しかも人口減の時にこれ以上道路を作らなくてもいいんじゃないというのが、大勢の考え方ではないでしょうか。
いまこの財源はどうなっているのでしょう。
北辻「一般財源、道路以外のところの財源として使われています」
元は特定財源ですが、一般財源として使われているようです。
北辻「ガソリンを使う人は道路以外にも税金を払っていますね」
多田は「なんでやねん!というのがガソリンにかかっている税金です」と理不尽さを訴えます。
ガソリン価格の行方
最後に、これから先のガソリン価格はどうなるのでしょうか。
北辻「しばらく下がらないだろうと見られています。来年春までは、という経済専門家もいます。
ただ政府も補助金とか考えていますし、石油の備蓄の放出もあります」
ガソリン価格は来年春まで下がりはしないということで、しばらく遠出は控えた方がいいようです。
(みず)
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2021年11月30日07時20分~抜粋