朝晩冷え込んできました。外に出て寒さを感じるとブルブルっと鳥肌が立つことってありませんか?
11月25日放送の『多田しげおの気分爽快~朝からP•O•N』(CBCラジオ)では、加藤愛アナウンサーが「寒いとどうして鳥肌が立つの?」という疑問について調査、リポートしました。
岐阜大学名誉教授木沢記念病院名誉病院長の北島康雄先生に聞きました。
鳥肌は何のため?
鳥肌を立てるということは、毛を立たせるための現象なんだそうです。
毛が立つということは、熱が逃げないようにして体温を温めるためと、身体を大きくして相手を威嚇して戦うための態勢をとる、というふたつの理由があるんだそうです。
毛と言っても、人の場合は産毛ですからピンとこないかも知れません。北京原人をイメージするとわかりやすいでしょうか。
身近なところだと猫。怒ると毛を逆立てます。寒さと天敵に対して戦闘態勢を取っていると言えるかもしれません。
斜め45度
鳥肌を立てる時、皮膚の中では一体どんなことが起こっているのでしょうか?
皮膚は表面の表皮と、その下の真皮でできています。真皮の中には、毛穴に繋がっている立毛筋というものがあるんだそうです。
北島先生「立毛筋がキュッと縮むと、表皮を下から押し上げるように毛の穴の部分がキュッと0.5ミリぐらい持ち上がって見えるんです」
これが鳥肌が立つ仕組みです。ちなみに毛は全部斜めに出ていて、斜め45度から60度ぐらいの角度なんだそうです。
どうして寒い時に?
寒くなると鳥肌が立つのはどうしてでしょう。
気温の変化で交感神経が反応します。そして、アドレナリンが放出されて立毛筋がキュッと縮みます。
ということは鳥肌が立つ、毛が立つ。と、こういう仕組みなんだそうです。
身を守る時も同じ仕組み。天敵が来たら、これに対して危険を感じてアドレナリンが放出されます。それで立毛筋がキュッと縮む、鳥肌が立つ、毛が立つというメカニズムです。
感動した時は?
怖い思いをしてないし、寒い思いもしてないのに鳥肌が立った経験はありませんか?
例えば花火や映画を見た時、音楽を聞いて感動した時に、日常会話で、「感動で鳥肌が立っちゃったよ」と言います。これはどういうことなんでしょうか?
北島先生「感動っていうのは一種のびっくりだから、最初は交感神経が働いてアドレナリンが出て、鳥肌が立って、毛細血管が縮んで心臓がバクバクする、というワンセットが動きます」
それが逃げるため、戦うためじゃないと分かると、今度はそれを治めるために副交感神経が働きます。血管が開いて、鳥肌もスムーズになって、顔が火照って赤くなって、心が落ち着いてくるとなるそうです。
落ち着いたところで、そばにいる友人などに「感動で鳥肌が立っちゃったよ」というわけです。
なぜ鳥は鳥肌?
鳥肌が立つの「鳥肌」とは、ブツブツした鳥の皮のように見えるから「鳥肌」と言いますが、では鳥の肌はどうしてあのような「鳥肌」なのでしょうか?
北島先生「鳥は毛穴が大きいでしょ?羽根は鉛筆の芯よりも大きいぐらいですもんね。それに相当する立毛筋も大きいのがあるから、毛を抜いた後でもそれを支える穴がちょっと盛り上がって見えるんです」
毛穴から生えているのは、人は産毛ですが鳥は羽根です。
羽根の軸は太いので、ブツブツが際立って見える、というのが鳥が「鳥肌」な理由だそうです。
人間の場合は、鳥肌が立ったところで、寒さをしのぐこともできませんし、毛を立てて脅かす必要もありません。そのため鳥肌が立っても、立たなくても、機能的には特に意味はないようです。
(尾関)
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2021年11月25日07時37分~抜粋