多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

妊娠がきっかけで別の病気になることも?「母性内科」の必要性

病院には内科や眼科、耳鼻咽喉科などさまざまな診療科がありますが、11月24日放送『多田しげおの気分爽快!!~朝からP•O•N』では、聞き慣れない「母性内科」を取り上げました。

妊娠を望む女性や妊娠中さらには出産を終えた女性のための内科で、全国ではまだ数は少ないのですが、産婦人科とは別の科がなぜ必要なのでしょうか。

日本母性内科学会の村島温子理事長に、お話を伺いました。

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母性内科の目的

まずは村島先生に母性内科を設立する目的について、伺いました。

村島先生「女性がこどもを妊娠・出産していくということは、産婦人科があれば良いというふうに思い込んでると思うんですね。

でも妊婦さんもコロナにも罹るし、もともと病気のある方が妊娠したいというケースもありますよね。

そういう場合に産婦人科の先生だけでは十分な医療ができないのが本音というところです。

例えば妊娠中にいろんな病気が出てくる中で、内科は『これは妊婦さんだから産婦人科だ』、産婦の先生は『内科に行け』って言って、どっちに行って良いのかわからない。

いわゆる医療難民みたいな感じになりがちなんですね。

そういうところをもっと真正面から取り組んでいきましょうというのが、母性内科ということになります」
 

母親の病気が胎児に影響も

では実際に、どんな病気にかかっている妊婦さんに対して、母性内科は必要なのでしょうか。

村島先生「頻度的に多いのは甲状腺の病気とか、関節リウマチは多いですね。

糖尿病も1型糖尿病といって、小さい時からインシュリンを打たないといられない病気があるんですけど、そういう方も母性内科の対象になるかと思います」

母性内科は持病のあるお母さんのためだけではなく、こどものためでもあります。

例えば、母親の糖尿病が胎児の先天性異常につながる場合もあれば、高血圧が早産や発育不全のリスクを高める場合もあるそうです(すべての方に当てはまるわけではありません)。
 

妊娠がきっかけで別の病気に?

持病のない妊婦さんであれば母性内科は必要がないかというと、必ずしもそうではなく、妊娠をきっかけに別の病気が発症することもあり、そのケアのためにも母性内科は必要なのだそうです。

村島先生「もともと糖尿病や高血圧になりやすい人が、妊娠中に妊娠糖尿病、妊娠高血圧症候群になりやすいんですね。

そういう人たちを生活指導していけば、未病(発病はしていないが、病気手前の状態)だったり発症年齢を遅らせることができるんですが、今までは産科の先生とは1か月で縁が切れるじゃないですか」

妊娠糖尿病だとわかっても、産婦人科のケアは出産まで。

その後、産まれてから忙しくてそのままにしておくと、糖尿病がひどくなることもありますし、もし次の赤ちゃんを授かった場合に、影響を及ぼす可能性があります。
 

母性内科が増えない理由

これまでのお話で母性内科の必要性がわかりましたが、国内で初めて開設されたのは1981年(昭和56年)で、大阪母子医療センターに設置されました。

それから40年経ちましたがあまり増えておらず、東海地方には1か所もありません。

なぜ、なかなか増えないのでしょうか。

村島先生「いわゆる母性内科は、割の合わない科なんですね。

母性内科として掲げるのは正直難しくて、今、学会の先生方が外来として週に1回やってるとか、そういうのは増えつつあります」

まだまだ母性内科として診てもらえる所は少ないですが、妊婦の方で自分の症状が気になる方は、外来などを行なっている医療機関を確認するのも良いかもしれません。
(岡本)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2021年11月24日07時18分~抜粋

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