多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

ラジオが孤食を変える?他人の声でご飯は美味しくなる!

11月5日放送の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』の特集のテーマは「孤食と人の声」です。

孤食とはひとりで食べること。最近、単身の世帯、少人数の世帯が増えて、孤食が増えています。ところが、ひとりで食事をする時、他人の声が聞こえるだけでおいしく感じ、食べる量も増えることがわかってきました。
例えばラジオを聴きながら食べるとおいしく感じる、ラジオは飯をうまくするというテーマです。

スタジオで名古屋大学情報学研究科教授の川合伸幸先生に伺いました。

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他人の声の効果

なぜ他人の声が聞こえるのがいいのでしょうか?

川合先生「本当は逆で、ひとりで食べるとおいしくないというのが本当です。
どうしてそうなるかというと、人類の歴史を辿ると、ほとんどの間誰かと一緒に食事をしてきた。ひとりで食べることはほとんどなかった。

電子レンジが最初に出たのが大阪万博の時です。二人以上の世帯で電子レンジが50%以上普及したのが、1984年で、単身世帯で50%以上普及したのが1994年です。ごくごく最近です。

みんなで一緒にご飯を食べることがずっと続いていました。火を使い始めた100万年前からだと言われています」

多田「みんなと一緒に、他人の声を聞きながら食べるのが普通で、聞かずに食べると食欲がおち、おいしくなくなるということですね」
 

孤食の実験

川合先生は「孤食と他人の声」を研究しています。認知科学という研究分野の一環です。

ひとりで食事をする時に他人の声が聞こえるだけでおいしく感じられる、食べる量も増える。その実験をされたそうです。

川合先生「大学生20~30人に、ポップコーンの新商品があり、モニターして欲しい。4種類全部違います、と言って食べてもらった。本当は同じポップコーンです。

その時にテレビのモニターの前でひとりずつ食べてもらいます。
映像は二種類あって、ひとつは天気予報のような映像、もうひとつはただものが置いてあるだけの映像。それぞれで音声があるものとないものがあります。
つまり天気予報の映像で他人の声あり、声なし。ものが置いてある映像で他人の声なし、声あり。4パターンがあります。
それぞれについて、おいしいかどうかと食べた量を調べます。

結果は、人間が映っていても映っていなくても、他人の声が聞こえているとおいしいという得点がすごく増えて、それにあわせて食べる量も増えます。

まさにラジオを聴きながらひとりで食事をしていると、なんとなくおいしくてたくさん食べるという結果になりました」
 

心理的な作用

これは心理的なことでしょうか。

川合先生「本当は一緒にいるのが一番いいですが、ラジオのようにそこにいないけどいるように感じるだけでもいいのです。
物理的にはいないのだけども、音が聞こえることによって、誰かとご飯を食べているように感じる、それは心理的なことと言えると思います」

多田「会話でなくても、人の声が聞こえるだけで違うんですね。
テレビ、ラジオが話している、それに対してご飯を食べながら聞いてる方がつっこみを入れるなんて非常にいいんでしょうね」

川合先生「その通りだと思います」
 

孤食だと鬱になりやすい?

最近の調査で、三食すべてひとりで食事をする、それが週4日以上ある人が18%。その多くが高齢者だそうです。

川合先生「ひとりで食べていることが多いと鬱になりやすいというデータがあります。
また内閣府の調査で、ひとりで毎日食事をしていると、周りのコミュニティとつながりを持とうとする力が弱くなるというデータもあります。

イギリスの調査で、特に高齢者ですけど、ほとんど毎日ひとりで食べている人と週に半分以上誰かと食べている人を比べました。
ひとりで食べている人は人生に対する満足感が低くて、かつ、楽しいことがあったなと思い出す回数が少ないです。だから、栄養はもちろん、心の面でずい分大きな影響があると考えられます」

多田「高齢化社会において、ぜひ高齢者の方はラジオをつけてご飯を食べてくださいということですね」
 

老人は切れやすいの?

番組では、川合先生による「老人はなぜ切れるのか」の調査についても触れました。
実際は、老人はそんなに切れるわけではないそうです。高齢者の数が多くなっていることがそういうイメージにつながっているようです。

ただ老人は「ちょっと我慢ができなくなる」傾向があります。脳の前頭前野はいろんなことのブレーキをかけるところですが、ここの働きが歳をとると弱くなってきます。

だからちょっとしたことで、暴言を吐いたり、ちょっとした暴行をしたり、結果老人は切れやすいと言われてしまいます。

これに対応するには、一番いいのはウォーキング、有酸素運動です。酸素を消費するような運動がいいです。

それも普段からしておく。脳の中にカスみたいなものが溜まりますが、それが有酸素運動で血流がよくなり掃除されていくのと、神経細胞が再生するのにいい環境になるからです。

身体の健康のためにも、脳の健康のためにもウォーキングはいいようです。
(みず)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2021年11月05日08時13分~抜粋

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