多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

民間人が虐殺される現況。よくわかるエチオピア問題

現在エチオピアは内戦状態が続いています。

政府は先日、全土に非常事態宣言を出しました。昨年11月3日から反政府軍が政府軍を攻撃して以来、約1年もの間内戦状態が続いています。

11月8日放送の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』では、CBC論説室の石塚元章特別解説委員がエチオピアについて解説しました。

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歴史のある国

エチオピアの位置はアフリカの東部、赤道のちょっと下で内陸国です。人口は1億人ちょっと。首都はアディスアベバ。とても歴史のある国です。

それが今、エチオピアの北部あたりでは、約210万人が自宅を追われ、40万人が飢餓状態にあります。

石塚「エチオピアはかなり古くから文明、文化が栄えました。すぐ東に紅海があり、そこを北に上がっていくとスエズ運河があります。昔は海まで行けました。
アフリカですけど、かなりアラブ、中東、ローマ、ギリシャの文明の影響を受けました。だから古くから栄えました」

多田「アフリカの多くの国は第二次世界大戦後独立しました。第二次世界大戦が終わったとき独立国はアフリカで4つ。そのうちのひとつがエチオピアです。
ヨーロッパからほとんど支配されることがなかった国で、アフリカの中では『希望の国』でした」

独自の文化文明もあります。国土のかなりの部分が標高2,000メートル以上の高原です。
気候も決して暑くはなく、生活しやすいこともあり、文明が発達してきました。
 

民族間の確執

ところが現在は、政府と反政府軍による内線、不満を持っている人が多い国になってしまいました。なぜでしょうか。

石塚「もともと小さい多民族の国家です。一時はまとまったりしますが、時期によっては小国が分立する、睨み合うという歴史があって、今でも多民族、多言語、多宗教。

それをまとめているのがアビー首相です。2019年のノーベル平和賞を取りました。民族同士の争いを停戦させたという功績です。

ところが、いま内戦がひどくなってしまった。
北部の民族がかたまって反政府という形になり、『アビー首相は中央集権的だ、民族の自立を認めてくれない』とケンカになっています。

反政府の中心になっているのは北部のティグレ州ですが、ちょっと前までは政権のメインにいました」

多田「多民族の国によくある主導権争いですね」
 

報復の連鎖

首脳陣が他の民族も含めて経済的に豊かにせず、自分たちにだけ利権を集めると反発が起こるというのが現在の状況です。歴史のあるエチオピアですが、長年そういうことが繰り返されているようです。

石塚「反政府の民族がいくつか集まって反政府運動をやろうと、首都にせまっていると言われています。
アビー首相はなかなか国連などの言うことをきかない。相手方もそうですが」

虐殺、虐待が横行しているという話です。

石塚「報復の連鎖となって、どっかで誰かが止めてよしとしないと、いつまでたっても終わりません」

多田「豊かな国が援助をして、争いをやめさせないとなかなか終わりませんね」

豊かな国といっても、なかなかない状況です。エチオピアが再び希望の国になるのはいつでしょうか。
(みず)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2021年11月08日07時21分~抜粋

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