秋になりキノコがおいしい時期になりました。キノコ狩りも楽しいものです。
そこで、11月2日放送の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』では、毒キノコのカエンタケを取り上げました。
毎年のように毒キノコの話題がでますが、今シーズンは千葉、大阪からカエンタケに触れて…というニュースが飛び込んできました。猛毒のキノコです。食べると時には死に至る。触るだけでも、手がただれるという毒キノコです。
三重県の岩出菌学研究所所長の多田有人さんに電話で伺いました。
赤いカエンタケ
このカエンタケ、見た目ですが、火炎という名前がついている通り、赤に近いオレンジ色です。
多田先生「キノコで思いつくのは、傘があって軸があってというようなものですが、キノコもいろいろな形があって、キクラゲでもゼリー状のような形ですが、あれもキノコですし、マイタケは花びらのような形で折り重なるような生え方をします。
そのように一般のキノコとは異なった形をカエンタケもしているということです」
大きさ、形は?
炎のようなカエンタケ、どのくらいの大きさなのでしょう?
多田先生「データによる30cmくらいの大きさになるものもあるようです。私が見たことあるのは10cm~15cmくらいだったと思います。
形はいろいろ変化はしますが、棒状で分岐して手の指のような形になったり、色から鶏のとさか状とか、形容されます」
最強の毒キノコ
数ある毒キノコの中でも、猛毒と言われるカエンタケ。その毒性について尋ねました。
多田先生「致死量は少ないと言われています。
実はカエンタケが毒を持っているとわかったのは、比較的最近です。
ちょっとでも食べると死にます、皮膚につけただけでもただれますよ、と非常にインパクトの強い毒キノコで、現在のところ日本の毒キノコの中では最強の毒キノコといわれています。
毒キノコは一般に口に入れて、すぐ吐き出せば大丈夫です。カエンタケは口の中に入れても口内炎とかになります。
わかっている限りでは、ベトナム戦争で使われた枯葉剤という兵器の成分と同じものが、このキノコの中に含まれているということで、その時に人がうけたダメージと、このカエンタケを触った時にただれるのが似たようなものと推測されます」
身近に見つかることも
この番組が放送されている中京圏でも、よく見かけることがあるのだとか。
どんな場所に生息するのでしょうか?
多田先生「広葉樹林で見つかることが多いですが、私の体験で、4年前、県内の小学校の通学路の道端で見つかりました。
比較的山の方ですが。すぐに学校に報告をしたところ先生方が視覚に訴える看板を作ってくれ、非常によかったですが、お子さんが興味本位で触ることは十分考えられます」
広葉樹の下が危ない
都市部でも最近カエンタケが見られるそうです。
多田先生「公園に樹木が植えてありますが、広葉樹のナラ枯れという現象とカエンタケの増加はなんらかの相関があると言われています。
元気のない広葉樹の下とか見るとカエンタケが出てるということがありえます。
幸い特徴が明らかなので、こういったものを見たら近づかないというのが一番です」
気になるのは、今後カエンタケが増える傾向にあるということ。
多田先生「ナラ枯れと関連しているかもしれないので、増える可能性があります」
赤いオレンジ色をしていて、棒状に伸びた形状という特徴をもったキノコを見つけたら、興味本位で触らないことが大事です。
(みず)
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2021年11月02日07時22分~抜粋