歳をとっていくと音が聞こえにくくなるという「加齢性難聴」が最近、注目を集めています。
高齢化に伴いその症状が出る人が増えているということもあるのですが、自分で気づかないお年寄りが多くなっているということでも、最近気になる症状といえます。
10月19日放送『多田しげおの気分爽快!!~朝からP•O•N』では、パーソナリティの多田しげおが加齢性難聴について解説しました。
高い音が聞き取りにくくなる
『朝PON』では毎週月曜にある音源を流し、そこから旅情を感じてもらおうという「日本の音の旅」というコーナーがあります。
例えば、ある地域にいる鳥の鳴き声を紹介するなどしているのですが、そのコーナーに関するおたよりが届き、それをきっかけに「加齢性難聴」を調べてみました。
「音のコーナーで、まったく聞こえない時や、ノイズのような感じでしか聞こえない時があります。
最初はラジオの調子が悪くなったかなと思っていたのですが、何か違います。
以前、娘が『この音聞こえる?』と言って、スマホをこちらに向けてきたことがありましたが、その音は聞こえませんでした。
娘に加齢現象で高い音がだんだん聞こえなくなるということを説明され、気をつけてねと言われましたが、私は音のコーナーで高い音があまり聞こえない、加齢性難聴が進んでることを知りました」(Aさん)
音が聞こえる仕組み
そもそも、加齢性難聴はどうやって起きる現象なのでしょうか。
これは、人間がどのような仕組みで音を聞いているのかということに関係してきます。
音は空気の振動によって起こりますが、それが耳の外側の骨などに伝わり、その振動がどんどん奥へ伝わっていき、1番奥にある有毛細胞が振動することで電気信号に変換されます。
この電気信号が神経を通じて脳に伝わり、音として感知するという仕組みです。
ところが歳をとると、音を聞くのに大事な有毛細胞が壊れていく、毛が抜けていくようなイメージなのですが、そうすると電気信号に変換しにくくなり、特に高い音から聞き取りにくくなっていくというわけです。
この現象は人によりまちまちですが、平均すると50歳代から始まるといわれ、60代では3人に1人が加齢性難聴の現象に見舞われるのだそう。
誰にでも起こり得ること
ただ、実際に60代の方で3人に1人が自分は難聴だと思っているかというとそうではなく、「自分はまだまだ大丈夫」「元気だし、若い頃と変わらない」と感じているようです。
しかし、自分の聴力を過信してしまうと、街に出て交通事故に遭ってしまう危険が増えてしまうことも。
50代になったら、「自分だけではなく、誰でも歳を取るとだんだん音が聞こえにくくなってしまう」ということを意識しておくことが大事なようです。
ちなみに多田はラジオで毎日、生放送を担当していますが、「ラジオ番組で話をしている人ほど、意外と自分が聞き取りにくくなっていることに気づきにくいのではないか」と語りました。
というのも、放送中は耳にイヤホンをずっと付けていて、どんな放送が流れているのか聞きながら常に確認しているのですが、この音はよく聞こえる状態に調整されていて、気付きにくいため。
多田はあらためて、自分が加齢性難聴かどうか確認しようと思ったとのことですが、一方で「聞こえてないふりをする」というテクニックも使えるそうで、これは50代以上の人にしか得られない技(!?)といえそうです。
(岡本)
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2021年10月19日08時05分~抜粋