多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

ギターの弦で解説。男の子が声変わりをする仕組み

日常にある、知っているようで知らない疑問を解決するCBCラジオ『多田しげおの気分爽快~朝からP•O•N』「知ってるつもり」。

10月7日の放送分では、加藤愛アナウンサーの「男の子の声変わり」について調べました。
10代になると当たり前のように起こるこの現象ですが、そのメカニズムはどうなっているのでしょう?

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実家に帰って驚いた

加藤「実家に帰って、スーパーで近所のおばさんに会った時に、その息子さんがもう高校生になってまして、こんにちはって挨拶をしたら、声がびっくりするほど低くなってたんですね」

多田「私も自分自身で経験があります。小学生から中学生辺りです。久しぶりに親戚の男の子に会うと、え?っていうぐらい声が低くなってますもんね」

今回は、名古屋市立大学病院耳鼻咽喉科高度医療教育研究センター教授の鈴木元彦先生に、「どうして男の子は声変わりするの?」について尋ねました。
 

声が出る仕組み

喉の左右には「声帯」という膜がひとつずつあります。形は上から見ると長方形です。
この声帯は閉じたり開いたりするのですが、2枚の隙間をなくすように閉じた時、狭くなったその隙間を息が通ると、声帯が震えて声になるということだそうです。

大人にも声が高い人、低い人がいます。男性だったら低くて、女性だったら高いというのが一般的なイメージです。
声の高い、低いは声帯の長さに関係していて、声帯が長いと低い声、短いと高い声なんだそうです。

例えばギターでは弦をそのまま弾くと低い音。5フレット、7フレット、12フレット、とどんどん押さえて弦が短くなると、弾く音は高くなっていきます。
声帯もそれと同じ理屈なんだそうです。
 

声帯が伸ばされる

声変わりは、元々短かった声帯が長くなることで、声が低くなるんだそうです。そういったことを起こすのが男性ホルモン。
大人になるにつれて男性ホルモンが出始めるとどうなるのでしょうか?

鈴木先生「男性の喉には喉仏っていうちょっと尖ったところがあります。医学的には甲状軟骨という軟骨です。それが大きくなって外の方に広がってきます。
で、その甲状軟骨の中にある声帯が引っ張られまして、声帯も長くなります。そういうことで声変わりが起きてきます」

多田「声変わりする時は、喉仏がえらい目立つようになりますもんね」
 

男と女はどう違う?

声帯の長さは、女性がだいたい10ミリから15ミリ。男性が15ミリから20ミリぐらいと言われているそうです。
男性の方が1.5倍ほど長く、その分だけ女性に比べて声が低いわけです。
 
男性に起きることが多いと思われている声変わりは、女性にもあるんだそうです。
女性も男性ホルモンを一定レベルは作るため、男性ほどではないにしろ、声変わりが多少あるということです。確かに女性でもこどもの声と大人の声は違います。

「どうして男の子は声変わりするの?」という疑問の答えは、男性ホルモンがたくさん分泌されて、それによって喉仏が出てきて、結果的に声帯が長くなるため声変わりする、ということでした。
 

枯れ声になる理由

ここからはおまけ。
喉と言えば、大声を出したり、長くしゃべり続けていると、喉が枯れてきたりした経験はありませんか?
こうなる理由についても鈴木先生に聞いてみました。

鈴木先生「そういう方で多いのが声帯結節っていう病気です。これは声帯の酷使で起きます」

基本的に声は、声帯が閉じている時に出るものです。
大声や長時間しゃべり続けるといったことで、左右の声帯同士が擦れたり、圧迫が起きたりします。そうなると声帯の部分にできものが出来るんだそうです。

例えば書き物しているとペンだこができるように、同じ状態が声帯に起こります。
そうなると、声帯が閉じた時に隙間ができてしまいます。
すると綺麗な声が出なくなり、潰れたしゃがれたような声になるんだそうです。
(尾関)
 
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2021年10月07日07時43分~抜粋

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