多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

今さら聞けない疑問「戸籍って何のためにあるの?」

9月7日、上川法相は戸籍の氏名に読みがなを付けるよう、戸籍法などの改正を16日の法制審議会総会に諮問することを明らかにしました。

現在、出生届には読みがなを記入し、住民票にも登録されています。戸籍には記録されていないのは意外ですが、そもそも戸籍は何のためにあるのでしょうか?

9月30日放送『多田しげおの気分爽快!!~朝からP•O•N』では、加藤愛アナウンサーが戸籍について、あすなろ法律事務所の國田武二郎先生に伺いました。

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戸籍に書かれている内容は?

日常生活で戸籍を取り寄せることはあまりないため、まだ戸籍の内容を見たことがないという方もいらっしゃると思いますが、戸籍には何が書かれているのでしょうか。

國田先生「まずその人の本籍、氏名、生年月日、それから戸籍に入った原因、例えば結婚とか養子縁組とか。それから親子関係といったものが記載されております」

これは戸籍法の13条に定められているものですが、ふりがなについては明治時代に一部の戸籍に付いていたそうです。
しかし作業が煩雑になることと、ふりがなに関する法律的な規定がなかったため、1994年(平成6年)に正式に廃止されていました。
 

本籍はどこでも良い?

戸籍に書かれているものでイマイチピンと来ないのが「本籍」。
現在住んでいる場所と同じとは限らないのですが、何を表している場所なのでしょうか。

國田先生「本籍というのは、端的に言えば戸籍がある存在場所なんですよね。

平たくいえば、戸籍が必要となった場合、その戸籍をどこから取り寄せればいいいかというと、本籍地のある市町村に行けば戸籍が取れると」

ただ、現在は本籍地まで行かなくても取り寄せることは可能ですので、実際には戸籍のある場所ということになります。

その本籍の場所は、どのようなところに置くことができるのでしょうか?

國田先生「日本で地番があるところでしたら、自由に定めることができます」

そのため、富士山の山頂など、行政区画や地番が確定していない場所は、本籍地とすることはできません。
 

戸籍は何のために必要?

それではここで本題ですが、戸籍は何のためにあるのでしょうか?

國田先生「まず国籍があることで日本国民の証明になりますね。それから親族的な身分関係が明らかになりますね。

例えば相続財産を誰が継ぐかとなった場合、こどもたちやその配偶者は誰なのか、といったことが戸籍に書かれていますから、相続やパスポートを取る時に公に証明するものとして戸籍が必要ということですね」

ところで、戸籍が必要となった場合、よく「戸籍謄本」「戸籍抄本」どちらを取り寄せるべきか迷う場合がありますが、この違いは何でしょうか。

國田先生「謄本というのは、戸籍に記載されている家族全員の情報が必要な場合、例えば相続人を確定するような場合は戸籍謄本を取ります。

抄本というのは戸籍に記載されている家族のうち1人だけの情報が必要な場合、例えばパスポートの申請などで自分だけであれば抄本で足りるということですから」

最近は戸籍謄本のことを「戸籍全部事項証明書」、戸籍抄本のことを「戸籍個人事項証明書」などとも言われています。
 

戸籍のない人が1万人も

もし戸籍がない場合、学校に通えない、健康保険証が取得できない、銀行口座が開設できないなど、生活のあらゆる面で不利益を被ってしまいます。

しかし、現在日本には無国籍者がおよそ1万人もいるそうで、夫のDVから逃れるためだったり、元夫との関わり合いを恐れて出生届が提出できない、不倫で生まれたこどもなので出生届が出せないなどの原因があるそうです。

現在、戸籍制度が続いているのは中国と台湾、日本のみで、韓国は2008年(平成20年)に廃止されています。

戸籍制度がない他の国では、国民認識番号制度が導入されているため、それで管理されています。

日本でも2016年(平成28年)にマイナンバー制度が導入されたため、将来は戸籍が廃止されるかもしれませんね。
(岡本)
 
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2021年09月30日07時40分~抜粋

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