多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

世界経済が注目!中国恒大集団はどうなるのか?

中国不動産大手・中国恒大集団の経営危機により、世界経済に与える大きな影響が懸念されています。

「中国版リーマンショック」とも言われる今回のニュースですが、そもそも中国恒大集団とはどんな企業体なのでしょうか。

9月27日放送の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』では、パーソナリティの多田しげおが、CBC論説室の石塚元章特別解説委員に伺います。

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かつては世界一の大富豪

多田「中国は社会主義の国です。そういった中で民間企業が存在し、その中でも大きい企業は世界トップレベルくらいの大きさで、数もたくさんあるそうですね」

石塚委員「恒大集団の創業者は許家印さんで、世界一の大富豪と言われた時もあります。

土地は本来国有ですが、事実上、国が長期に貸し出しています。それを売買することができ、取引の状況をみると、資本主義の国で土地を売買しているのとほぼ同じことが中国で起きています」
 

当たった不動産業

多田「まず、中国恒大集団はどんな大企業ですか?」

石塚委員「もともと許家印さんは大変貧しいところの出身です。『先に金持ちになれる人からなりなさい、それがひいては中国という国を豊かにするだろう。多少格差が出てもいいから』と、資本主義に近いことを言った時代がありました。

それに乗っかる形で許家印さんは土地を売買した。まだこじんまりしたマンションを多く売った方が、みんなが手に入りやすいと低価格のマンションから始めたら、それが当たった。

1996年創業、そこから急成長を遂げました。今は多角経営で、不動産がメインですが、電気自動車にも手をのばしたり、プロサッカーチームを運営したりいろんなことをしています」
 

借金で大きく

多田「一番の特徴は、土地を国から借りる。それもほとんど借入金で、それでまわしていって、さらにそれを続けるためにまた借りてまた借りて、うまくまわして大企業になった」

石塚委員「33兆円くらい借金があるそうです」

多田「いまどういうことが起きていますか?」

石塚委員「中国経済は成長していますが、不動産のこういう取引で大きくなっています。
習近平国家主席はこのままではバブルが弾けると危惧していて、去年くらいに、不動産業界に厳しい3つのデッドライン、負債の割合はこのくらいにしなさいというものを決めました。

それを守ろうとすると、借金がこれ以上できなくなります。そうすると恒大集団のやり方が破たんをきたしてきます」

多田「恒大集団はある意味、自転車操業ですね」
 

共同富裕のスローガン

石塚委員「さらに今年になって言い始めたスローガンが共同富裕。一緒に豊かになりましょう。言ってみれば、これは"富の再分配"です」

多田「格差がつきすぎて超金持ちから飲まず食わずの人までいる。それじゃ、貧民の不満が習近平さんに向かってくるから共同富裕をやっていこうと金持ちの方にストップをかけた。その対象に中国恒大集団があてはまる」

石塚委員「習近平さんは二期目ですが、三期目もやりたい。だから国民の人気があるかどうかは大きいです。そこで共同富裕のスローガンをあげた。

通常大きな企業が危なくなった時、日本でも政府が援助に乗り出します。
今回、恒大集団はルールが厳しくなったせいで経営が危なくなってきた。では、助けるか。

ここで助けると、共同富裕といっていたのに金持ちを助けるのかと見られてしまうのも、習近平指導部はつらい。
でも、助けないと、中国の経済、世界の経済、大変なことが起きるかもしれません。さあ、どうするのでしょう」
 

チャイナリスク

多田「このあたりが中国的資本主義で、最後の最後になったら中国共産党の思惑で、こっち向いたりあっち向いたりが一夜にして変わる」

石塚委員「指導部としての思いをぱっと言えない状況を自分で作ったのです。
共同富裕といって、みんなに富を再分配するといったので、自分で手を縛ったというのがひとつ。

政治的なことでもうひとつ。恒大集団は政治的には共産主義青年団という派閥に近いといわれている。習近平さんは共産主義青年団は嫌いなんです。そこで心情的にも助けたくないというのがあると思います」
 

世界が注目

多田「中国恒大集団が破たんするのではと、全世界的に株価が大きく揺れ動いています。今の見通しとして、助けるのかつぶすのか、どうなるのでしょうか」

石塚委員「助け方もいろいろあって、堂々と助けると、『助けたな』と思われるので、こっそり国営の企業に売却したりして、表にでないようにして助けるのではと言われています。

しかも、恒大集団だけなら、なんとかなるかもしれない。でも、中国は同じような不動産会社がやたらとあります。恒大集団だけで済まない可能性がある。その時、それが全部できるかどうか。

不動産がダメになると、資材とか建築機器とかを中国に輸出している企業が世界にあり、その波及もあります。
経済規模がやたら大きいので、予断を許しません」

直接、日本の経済にも影響が大きいことがわかります。しばらくは関連情報から目が離せませんね。
(みず)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2021年09月27日07時20分~抜粋

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