多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

2回接種で注目!ワクチンと薬はどう違うの?

コロナ禍の終息は、新型コロナワクチンの2回接種にかかっているといわれていますが、そもそもワクチンとはどんなものなのでしょうか。

9月10日放送『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』では、名古屋工業大学名誉教授の齋藤勝裕先生にお話を伺いました。

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ワクチンと薬の違い

まず、ワクチンと薬とは何が違うのでしょうか。

齋藤先生「普通、薬っていうと病原菌そのものをやっつけるとか、病原菌でダメージを受けた人間の身体、それをカバーするんですけど、ワクチンはそれとは違いまして。

人間の身体に元々備わっている防御システム、軍隊のようなもので免疫というんですけど、身体の中にバイ菌や外物が入ってくると外敵をやっつけるわけです。

その軍隊を刺激するのがワクチンだということになりますね」

免疫は身体のあちこちにありますが、特に消化管、腸のあたりにたくさんいるそうです。

これは身体に入ってくる外物は、主に口から入れた食物が原因のため、それをやっつけるには食物が通ってくる腸が有効であるためです。

外物には食物以外にも花粉やホコリ、ダニなども含まれます。
 

免疫システムの仕組み

この免疫システムですが、仕組みは複雑だそうです。

齋藤先生「全く新しい外物が入ってくると、システムが整って攻撃に行くまでに結構、時間がかかるんです。だいたい1週間から10日。

外物に対して攻撃をする時に、特別な体制を作らなければならないわけです。

まずは二等兵のようなものがとりあえず出かけていって、食細胞というんですけど、相手を構わずパクパク食べ始めます。

その後に隊長クラスが出ていくわけですけど、いろいろ装備が必要で、それが1週間から10日もかかるんです。

T細胞とB細胞の2通りありまして、キラーT細胞という殺し屋のようなものもあります」

ただ、攻撃するにはどれが外物か判別しなければならず、これは悪者だというラベルを貼る部隊が別に必要で、この部隊が抗体と呼ばれるものです。
 

ワクチンの仕組みは

外敵が入ってきても、人間に備わっている免疫システムに任せれば大丈夫なように見えますが、ただ、この1週間から10日の間に、病原体などがどんどん身体を蝕んでいくと、最悪の場合は死に至ってしまうこともあります。

では、ワクチンはどのような効果をもたらすものなのでしょうか。

齋藤先生「ワクチンはいわゆる外敵の代わりになるものですね。外敵がなければ、ラベルの貼りようがないですね。
ラベルを早く作るのがワクチンの使命ですね」

免疫システムに任せると1週間から10日かかるところを早く対応するためであって、ワクチンが直接、病原菌をやっつけるというわけではありません。

よく一度ある病気にかかると同じ病気になりにくいというのは、すぐにラベルを貼りに行けるためです。

ワクチンは外敵の「代わり」ということですが、病原体そのものの場合もあり、ホルマリンなどを使って病原体の毒性を弱めた「生ワクチン」や、完全に病原体を殺した「不活化ワクチン」、細菌が作る毒を入れる「トキソイド」といった種類があります。
 

新型コロナワクチンの仕組みは?

しかし、今回の新型コロナワクチンは、これらとは全く違う作り方だそうです。

齋藤先生「実は毒素を入れるのではなくて、毒素を私たちに作らせるわけです。
抗原はタンパク質で、設計図があればどの細胞でも作られるんです」

病原菌そのものを入れるのではなく、設計図のようなものを入れる仕組みで、今回の新型コロナワクチンが「遺伝子ワクチン」と呼ばれるのは、そのためです。
これをmRNAワクチンと呼びます。

その場合、毒素がどんどん作られて、人体に悪影響を及ぼすことはないのでしょうか。

齋藤先生「ただ毒素といっても、特徴のある部分のタンパク質だけを作るわけです。
わかりやすいのはコロナウイルスで、コロナという通り丸い玉で、外側の部分に凸凹があって、このスパイクタンパク質だけを作らせるんですね」

この作り方は、短期間で大量に作ることができるメリットもあるそうです。

他の病気に対しても検証は必要なものの、かなり画期的なワクチンのようですが、今後mRNAワクチンは増えていくかもしれません。
(岡本)
 
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2021年09月10日08時15分~抜粋

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