多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

アメリカザリガニはなぜ日本にやってきて、ここまで増えた?

外来種と呼ばれる生きものが、生態系を脅かすと言われ、よく問題視されることがあります。

有名な外来種の1つに「アメリカザリガニ」がいますが、いったいなぜ日本にやってきたのでしょうか?

8月19日放送『多田しげおの気分爽快!!~朝からP•O•N』では、「アメリカザリガニは何しに日本へ?」という疑問に対し、加藤愛アナウンサーが、なごや生物多様性センターの生物多様性市民共同推進委員の宇地原永吉さんにお話を伺いました。

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アメリカザリガニの特徴

アメリカザリガニはその名のとおり、アメリカ合衆国の南東部からメキシコの北東部にかけて生息していて、比較的低温から暖かい水まで対応できる生きものです。

大きさは淡水に棲む甲殻類の生きものとしては大型で、だいたい頭の先から尾っぽの先までが13cm以上。

主に水田や湖、池で生息していて、色は赤が多いのですが、野生だと青っぽいものやヒゲが白いものもいて、色彩変異を持つ個体もいるそうです。

来日(!?)したきっかけは、1927年(昭和2年)頃に食用ガエル、ウシガエルのエサとしてやってきたといわれています。

最も古い記録では20匹入ってきたとされ、そこから繁殖して広まったそうです。
 

最初は20匹だったが…

その20匹から今や全国に数多く広まることになるのですが、なぜここまで増えたのでしょうか。

宇地原さん「全国的にウシガエルが養殖されていて、そこの養殖場から逃げたということや、あとは観賞用としてたくさん出回っていますので、それを飼っていた人が逃がしてしまったり、放してしまったというのが、原因として考えられます」

外来種が増える要因として、よくペットで飼っていた人が捨てたからというものがありますが、アメリカザリガニでも困った問題があったようです。

宇地原さん「1度(ある棲息エリアに)入ってしまうと、取り除くのが非常に難しい生きものですね。

こどもを約300生みますし、水中だけではなく陸にも上がれるので、非常に広がりやすい生きものですね」

その活動範囲の広さや繁殖力の強さによって、20匹からスタートしたアメリカザリガニも、今や池によっては100匹以上獲れるほどにまで増えています。
 

外来種ならではの問題も

そのアメリカザリガニですが、外来種ならではの問題を起こしているようです。

宇地原さん「直接的な影響ですと、捕食で(他の生きものの)個体数を減らしてしまいます。

もう1つは水草を食べることで、そこをすみかにする生きものたちが減ってしまう。

愛知県ですとベッコウトンボというトンボがいるんですけど、それがほぼ絶滅してしまったということもありますね」

そして、生きものだけではなく、私たちが得る食べものにも影響があるそうです。

宇地原さん「日本料理に出るジュンサイという水草があるんですが、それを食べたり切ったりしてしまいます。

あと、ドジョウの養殖場に入ってしまって、ドジョウを食べてしまうという影響もありますね」

大事なのは外来種に限らず、1度飼ったペットを外に放たないことですね。
(岡本)
 
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2021年08月19日07時42分~抜粋

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