夏の暑い時期、嫌な天敵といえば汗の臭いですが、どうして嫌な臭いがするのでしょうか。
8月5日放送『多田しげおの気分爽快!!~朝からP•O•N』では、加藤愛アナウンサーが「汗をかくと、どうして臭くなるの?」という疑問に対して調査。
東海大学理学部化学科の関根嘉香教授にお話を伺いました。
汗自体に臭いはない!?
シンプルに考えると、汗自体に嫌な臭いの成分が含まれていそうですが、関根先生は「汗はもともと無臭です」と回答。
汗に嫌な臭いの成分が含まれていたら、ここでこのコーナーは終わってしまいますので、さすがにそうではないようです。
では、汗は何からできているのでしょうか。
関根先生「汗は99%以上が水分でできていまして、その他に塩分、糖分やタンパク質、脂質がごくごく微量に含むんですけど、こういったものは基本的に臭わない成分です」
ただ、汗をかいた後に時間が経つと臭ってくるような気がするのですが、ここに何かポイントがありそうです。
関根先生「実は汗をかきまして放っておきますと、皮膚表面では汗と皮脂が混ざり合ったものを皮膚の表面にいる常在菌がパクパク食べまして、分解してしまうんです。
その分解した時に、臭い物質に変えてしまうんです」
汗をかいたまま放っておくのが、嫌な臭いを出す原因のようです。
加齢臭の原因は?
よく「歳を取ると臭くなる」、いわゆる「加齢臭」という言い方をしますが、これは科学的にも正しい考えなのでしょうか。
関根先生「実は汗の中の成分とか皮脂の成分は、年齢によって若干変化してくるんですね。
若い頃の臭いの成分は、主にイソ吉草酸とか酢酸とか酸っぱい臭いが中心になるんです。
しかし、例えば中年の男性が特徴的なんですけど、汗の中に乳酸と呼ばれる成分が少し多く含まれる傾向があります。
それが分解されますと、チーズのような独特の臭いになってしまうんですね」
歳を取った人の方が若い人よりも臭いというのは、イメージというわけではなさそうです。
ただ、加齢臭は汗が直接的な原因というわけではないそうです。
関根先生「皮脂の成分が分解してできる、ノネナールという物質が一般的には加齢臭と呼ばれる成分ですね」
歳を取ると、汗とは無関係に嫌な臭いの成分が出てくるようです。
汗の臭いを抑えたい!
ここで年齢に関係なく、汗の臭いを抑える方法を知りたいところですが、それには汗を分泌する汗腺から、なるべく汗を出すのが良いそうです。
よけいに嫌な臭いが出そうな気がしますが、どういう仕組みなのでしょうか。
関根先生「皮膚の表面に汗腺が分布してるんですが、実はすべての汗腺が働いているわけではないんですね。
一部がお休みしていて、休んでいる汗腺が多い人の場合、残っている所で一生懸命汗をかこうとするので、その時に出る汗は塩分が多い、乾きにくい汗になってしまうんですね。
ですので、日頃から適度な運動、ウォーキングや、夜入浴してさらさらとした汗をかくのが1番よろしいかと思います」
汗が乾きにくいと、その間に常在菌が分解してしまうために嫌な臭いが出やすくなるというわけです。
さらに、汗を拭くのに濡れたタオルやハンカチで拭くのも効果的だそうで、これは皮膚の表面に水分ができ、それが蒸発することによって体が冷えるため、汗が減らせるとのこと。
汗のかき方と拭き方を意識すると、臭いが減らせそうです。
(岡本)
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2021年08月05日07時43分~抜粋