多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

南部風鈴が800個鳴り響く、JR東北本線 水沢駅

『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』の「日本音の旅」は、全国各地の風土によって育まれた独自の音を紹介するコーナーです。

8月2日の放送では南部鉄のふるさと・岩手県が舞台。JR東北本線水沢駅(岩手県奥州市)のホームには、毎年夏になると南部風鈴がたくさん飾られるそうです。

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駅に南部風鈴の音

まず、実際の駅の風鈴の音が紹介されます。南部風鈴の音に電車の音が重なります。
涼し気な風鈴の音はシャワーのようにホームに降り注ぎ、夏の訪れを伝えます。

多田「いま列車の走行音の方が音が大きかったですが、実際、ホームに立つと南部風鈴の音にわーっと囲まれるという状況だそうです」

奥州市水沢は昔から南部鉄器のふるさとと言われています。
水沢鋳物工業協同組合の戸田努さんに電話で伺いました。
 

800個の風鈴が…

多田「駅に飾られている風鈴は何個くらいですか」

戸田さん「水沢駅は約800個、新幹線の水沢江刺駅に200個飾られています」

多田「これがちょっと風が吹いたりして一斉に鳴ると、爽やかなんでしょうね」

戸田さん「暑さを感じさせなくなるくらい涼し気になりますね」

多田「ホームにずっと並べているのでしょうか?」

戸田さん「棚を吊るして、そこに飾っています」

多田「ホームに列車が入ってくると風がうわぁーと吹きますが、それで鳴るのですか」

戸田さん「電車の出入りがあると、風鈴のさまざまな音色が出ますね。形、大きさによって、しっかりした音とか、響きを抑えた音とか、甲高い音とか、いろいろあります。
最近はマンションに住まわれた方のためにちょっと音を抑え気味の風鈴も出てきています」
 

歴史は意外と浅く

多田「風鈴を作り始めたのはいつごろですか?」

戸田さん「南部鉄瓶という鉄器とは違って、南部風鈴はまだまだ浅く、昭和40年代から始まったものです。
昭和にかけて、アルミのやかんが普及し始めて、われわれの業界も何か新しい商品を、と開発したひとつが風鈴です」

多田は「よく風鈴に目をつけましたね」と、感心します。
 

なぜいい音が?

多田「南部鉄でできた風鈴は、なぜあんないい音がするんですか?」

戸田さん「通常の南部鉄器の素材だけでは風鈴のいい音が出ないです。鉄の素材に、白銑(はくせん)というのがあり、それを入れることで響くものになっています」

多田「南部鉄瓶を叩いてもあんないい音はしないわけですね」

戸田さん「蓋と本体をちょっとぶつけると響くような鉄瓶がありますが、同じ素材、白銑を入れているものです。それを生かして風鈴を作ったのかと思います」
 

世界に誇る

多田「夏休みになって、水沢の駅に降りて、風鈴の音を聞くと、帰ってきたなという気になりますね」

戸田さん「そうですね。昔から聞きなじんた音ですので、県外の方にも自慢できるような。今は世界に輸出してますので、世界に誇る一品だと思います。
今も水沢の駅にはいい音が鳴っていると思います」

南部風鈴はしみじみとした余韻があります。800個がそれぞれに違う音を奏でる中に身をおいてみたいものです。
(みず)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2021年08月02日07時43分~抜粋

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