多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

世界で活躍!胃カメラ・内視鏡は日本生まれ

7月14日放送の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』、身の回りにあるもので実は日本生まれのものを紹介する「北辻利寿のコレ、日本生まれ」では、胃カメラを取り上げました。

年に一度はお世話になるという方も多いのではないでしょうか。そして、その進歩を目の当たりにしているのでは。

CBC論説室の北辻利寿特別解説委員が開発された経緯を話しました。

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今日は胃カメラの日?

多田は「胃に管を通して、先にカメラがついているから胃カメラなんですよね。最近は、大腸とかを見るいろんなカメラが登場していて内視鏡といいますね。胃カメラをはじめとした内視鏡カメラが実は日本生まれなんですね」と冒頭に紹介します。

そして、これを取り上げた理由を「今日は7月14日で、7(ナ)1(イ)4(シ)と狙ってきました」と説明します。
北辻委員は「ニュースはタイミングですからね」と、してやったり。

最初の失敗

身体の内側を見るということは、昔から医師にとっての願望でした。日本では江戸時代後半には、遺体の解剖で見ていました。
内視鏡は生きている人間の内側を見る、それを治療に役立てるのです。

多田「歴史的に初めて生きている人の内側を見たのはいつですか」

北辻「記録によると1868年(明治元年)、ドイツの医者クスマウルさんがはじめて生きている人間の胃をのぞきました。金属のまっすぐな管、長さ47cm、直径13mm、これを人の喉からつっこみました。

のぞかれた人は大道芸人です。剣を呑む大道芸人ならできるだろうとやってみたのがはじまりです。果たして見れたのか。その記録は残っていません」

どうも残念な結果に終わったようです。当たり前ですね。

胃の中を映して!

多田「胃カメラといえるようなものは日本発祥なのですね」

北辻委員「昭和の日本の話です。1949年(昭和24年)、東大病院の医師からオリンパス光学工業に『患者の胃の中を映すカメラを作って欲しい』と依頼がありました」

オリンパスはカメラのメーカーですけど、顕微鏡などもとても優秀な技術を持っています。

北辻「オリンパスは胃の中に小さなレンズを入れて、光をさして、それをフィルムで撮影するという開発を始めました。

身体に入れるので極めて小さいレンズが必要です。強い光も必要です。柔らかい管が必要です。専用のフィルムもいります。
そして1年後に小型電球のフラッシュ撮影とワイヤーによる巻き取りでなんとか胃の中の撮影に成功しました」

多田は「よく1年で成功しましたね」と感心します。

3年で商品化に成功

北辻「まだまだ課題はあって、人体に危険があってはいけないので、短い時間で撮影する。鮮明な画像も必要です」

どんどん改良を重ねついに医療商品として完成したのが1952年(昭和27年)です。たった3年で開発に成功しました。
ここに世界初の胃カメラが日本で誕生しました。

進化する胃カメラ

どんどん胃カメラは進化して、多田が経験したこの20年間でも、管はどんどん細くなり、やわらかくなりました。安全で苦痛でなくなり、フィルムからデジタル信号になりました。リアルタイムに患者がモニター画面で自分の胃や大腸を見ることもできます。
今は小さいポリープなどその場で処置することもできます。

そこまで進化した日本生まれの胃カメラ、オリンパスは消化器内視鏡では世界シェア70%だそうです。

ガンにおいては早期発見、早期治療が大事。内視鏡カメラで直接大腸を見ることは、本当に大きな貢献をしています。

北辻委員は最後に、「古来、医療に携わる人たちには人体の中を直接見たいという願望がありました。そんな世界の医療現場に胃カメラという画期的な発明を届けた日本の最新技術。これによって、今日までどれだけたくさんの命が救われてきたでしょうか。日本生まれ、まさに胃カメラ、内視鏡は文化です」と、まとめました。

最近は、錠剤大のカプセルを飲み込むだけで消化管の内部が検査できるというカプセル内視鏡も実用化されています。日進月歩とはこのことですね。
(みず)
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2021年07月14日07時38分~抜粋

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