多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

純度100%ではなかった!食用「金」の謎

CBCの加藤愛アナウンサーが、身近にあるのに良く知らないものを取材リポートする『多田しげおの気分爽快!!朝からP•O•N』「加藤愛の知ってるつもり」のコーナー。

7月1日のテーマは「食用の金って本当に純金?」でした。
祝い酒の中で揺れていたり、和食にふりかかっている金について調べました。

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金沢は金箔の町

石川県金沢市に住んでいたこともあって、金箔を見る機会がたくさんあったという加藤アナ。
お祝いの時に飲む日本酒に金が入っていたり、ソフトクリームにも金箔が貼ってあったり、そんな光景をよく目にしていたんだとか。

実は、日本酒に入っている金は、厚生労働省によって食品添加物と認められている食品です。
では、その食用の金、ズバリ純金なんでしょうか?

名古屋工業大学名誉教授の齋藤勝裕先生に聞きました。

 

一升瓶に70円分の金

齋藤先生「食品添加物の場合には4号金というものがよく使われるんですよ。その4号金の場合には、金が94.438%。そして銀が約5%。残り1%ほどは銅が入っている可能性があります」

メーカーによっては99.9%金というものもあるようですが、銀や銅が入っている理由は、そうすることによって24金ほど柔らかすぎず、扱いやすく加工に向いているからなんだそうです。

例えば、お正月や結婚式で飲む祝い酒には、どれほどの金が使われているかと言うと、一升瓶で0.01グラム。いわゆる10ミリグラムという値の量だそうです。

現在の金相場で、1グラムが7,000円。つまり70円ほど金が入っているという計算になります。
 

毒にも薬にもならない

日本酒でゆらゆらしている金、そのまま飲んだり食べても問題ないのでしょうか?

齋藤先生「全く問題ありません。金は体に吸収されませんからね。だから毒にも薬にもならないってことですね」

身体に吸収されないので、何の影響もないそうです。
もちろん吸収されないということはそのまま排出されます。
 

のようなもの

一方、豪華な料理やお菓子などにふりかけられている金箔。
こちらは、お酒に使われている金とは、全く別物でした。

齋藤先生「ソフトクリームに入っているとか和食の料理なんかに金箔を散らしているのがありますが、あの金箔は、金箔プラスアルファです」

一見純金の金箔に見えるものは、実は“金箔のようなもの”でした。

そのアルファは何かというと、デンプンの一種、あるいはタンパク質の一種なんだそうです。料理に乗っている“金箔のようなもの”の重さの95%はデンプン。そして2%がタンパク質。金箔はわずか3%だそうです。

ソフトクリームや料理に使われている金箔は、日本酒に入っている金箔とは全く逆で95%がデンプンでした。
 

静電気対策

金は高価なものだから、デンプンでかさ増しをしているのでは?と疑ってしまいそうですが、デンプンが使われていることにもちゃんとした理由がありました。

齋藤先生「金箔をいじってみればわかりますけど、指なんか触れたら、静電気で指にくちゃくちゃっとくっ付いちゃって、濡らしたティッシュペーパーみたいに固まってしまうんですよ」

そのため、料理の上にパラパラと綺麗に乗せることが難しいそうです。

齋藤先生「それを広げて体積が多いように見せるためには、やっぱり何かでコーティングしないとダメだということで、コーティング剤としてデンプンを使ってるわけです」
 

用途によって使い分け

加藤アナは石川県のテレビ局でキャスターをしていた頃、金箔を取材したことがあるそう。

加藤「金箔を扱う時は、空気の動きを止めてやらないといけないぐらい繊細なものだから、冬でも夏でもエアコンが使えないぐらいなんです」

料理やお菓子に使う金は、使いやすいようにデンプンでコーティングされていました。ちなみに日本酒にデンプンコーティングされた金を入れてみると、デンプン質が溶けてしまうそうです。そのために日本酒には94%の金を使っていました。

今回のテーマ「食用の金って本当に純金?」の結論は、向き、不向きで金を使い分けている、ということでした。 
(尾関)
 
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2021年07月01日07時40分~抜粋

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