普段いつも使っているプラスチック消しゴム、日本生まれと知っていましたか?
6月30日放送の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』の「北辻利寿のコレ、日本生まれ」では、「プラスチック消しゴム」を取り上げました。
CBC論説室の北辻利寿特別解説委員がこの話題を披露しました。
パンから天然ゴムへ
多田「鉛筆、黒炭などで書いたものを、昔はどうやって消してたんですか?」
北辻「パンを使っていました。今でも、画家のみなさんはデッサンをパンで消したりしています。
それを18世紀イギリスが科学者のジョセフ・ブリーストリーさんが天然ゴムで鉛筆が消せることを発見しました。これが消しゴムです。
これがフランスに伝わり、ヨーロッパに広まり、世界に広がり、明治時代、日本に伝わりました」
三木康作ゴム製造所
多田「日本で製造会社ができたのはいつごろですか?」
北辻「大正時代です。今日の主人公となる消しゴムメーカーは1915年、大阪で創業した三木康作ゴム製造所です。
最初はホースとかチューブとか、消しゴムも製図用のものを作っていました。
それが、今後は商品をひとつに絞ろうと、選んだのが消しゴムです。
1950年に会社の名前もシードゴム工業と変え、消しゴム専門のメーカーとして歩み出します」
塩化ビニールの切れ端
北辻「そもそも天然ゴムは輸入に頼るしかなかった。高いし、自然素材だから相場が変動して、製品の品質も安定しません」
多田「天然素材以外のものでできないかな…ここですね」
北辻「いろいろなものを試した中で、たまたま塩化ビニールの切れ端を使ってみたら字が消えました」
多田は「本当にいろんなもので試したんでしょうね」と想像します。
『プラスチック字消し』誕生
北辻「塩化ビニールというのがプラスチックです。
さらに品質改良を続けて、1956年、いよいよ世界で最初のプラスチック消しゴムが商品化されました。
そのときの商品名が『プラスチック字消し』」
多田「思い出しました。こどもの頃、消しゴムのことを『字消し』と言っていました。これ大阪から発祥したものですね」
大阪生まれの多田は懐かしそうです。
研究と努力
北辻「天然ゴムは練りから熟成まで1週間くらいかかりますが、プラスチックは数日で商品ができるとか、消しカスもあまり出ないとか。
炭素カルシウムという成分を入れて、消しカスをまとまりやすくするという工夫もされています。
夏になると溶けないように安定剤も入れたりという研究、努力が続きました。
これが青い『レーダー』という商品となりました。日本初のプラスチック字消しです」
最後に北辻委員は、「消しゴム一筋の道を選んで消すことだけを追求した創業100年企業、そこには決して消すことのできないものづくりへのプライドと研究の日々が確かに存在しています。日本生まれ、まさにプラスチック消しゴムは文化です」と、まとめました。
まさかあの消しゴムが日本生まれとは!身近な発見でした。
(みず)
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
この記事をで聴く
2021年06月30日07時41分~抜粋