多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

ピューイッ! 伊勢志摩の海岸に鳴り響く「海女の磯笛」

全国各地には、その地域の風土や文化によって育まれた独自の音があります。
『多田しげおの気分爽快!!~朝からP•O•N』「日本音の旅」のコーナーでは、そんな各地の音を毎週1つずつ紹介しています。

6月28日の放送で取り上げたのは、三重県伊勢志摩「海女の磯笛」。ポンポンという船のエンジン音に混ざって、「ピューイッ!」という甲高い音が聞こえます。これは、海女さんが海面に浮上して息を吐くときに出す音です。

三重県志摩市志摩町越賀(こしか)地区で海女をしている、林喜代美さんにお話を伺いました。

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陸地では鳴らせない

海女の磯笛について「出そうと思ってやってるのか、自然に出るのか。どっちですか?」と尋ねる多田に、「私は自然に出ます」と林さん。

かなり長い時間潜っていると思われがちな海女さんですが、林さんによると実は1回の潜水は30~40秒くらい。潜る長さよりも、潜る回数の方が多いそうです。

海女の磯笛は、口笛のように唇で出す音ではなく、のどの奥から自然に鳴る音。「今、ちょっとやって!」とお願いされても、陸地では音を鳴らすのは難しいといいます。

「若い海女さんは磯笛が鳴らないというのは本当ですか?」と質問する多田に、「この地区でも若い海女さんはいてますけど、磯笛は出さないですね」と林さん。「(若い海女さんは)声を出します。『苦しかった! ああー!」とか」と笑います。

アメリカで「観光海女」

林さんは今年67歳、海女さん歴51年目です。「声の感じ、若いね」と感心する多田。

実は林さんは若い頃、アメリカで海女さんをしていました。中学卒業後すぐにアメリカに行き、真珠入りのアコヤ貝をお客さんに渡す「観光海女」の仕事をしていたそうです。

メンバーは林さんを入れて4~5人で、最後の1人まで残っていたという林さん。サンディエゴ、ロサンゼルス、オハイオの3か所でパフォーマンスを行っていました。

帰国後は和歌山の白浜温泉で観光海女を続け、29歳の時に地元に戻ってきたそうです。

「海女さんは、血管年齢がいつまでも若いそうですね」と多田。
「林さんの声を聞いてると若いもんね! お肌もピチピチじゃないんですか?」と想像する多田に、「海水がいいんかな」と笑う林さん。
 

地球温暖化を止めてほしい

今は、アワビ、サザエ、トコブシが採れる時期。しかし近頃は海水温が高くなり、減ってきているといいます。

「ここにも地球温暖化の影響があるのかもしれない」と考える多田。林さんによるとアワビが食べる海藻のエサが減っているため、アワビも減っているんだそう。

「50年やってきているとその辺の変化がよくわかるということですね」という多田に、「海に入っていると分かりますよ」と林さん。

多田「偉い人に言って、なんとか温暖化を止めてもらってですね」
林さん「(笑)止まるもんならね、止めてほしい」
多田「すばらしい! その通りで。止まるもんならばね。全地球のみんなの実感ですからね(笑)」

地球温暖化の話題で、盛り上がる林さんと多田。

「ますます磯笛の音を島中に響きわたらせて!これからも活躍してくださいね!」と、元気な林さんを激励した多田でした。
(minto)

 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2021年06月28日07時36分~抜粋

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