『多田しげおの気分爽快!!～朝からP・O・N』で、年に4回ほど特集を組むのが「脳の不思議」。
日本でも有数の脳の研究機関として知られる、自然科学研究機構生理学研究所（愛知県岡崎市）の名誉教授、柿木隆介先生が脳の仕組みについて解説しています。
6月4日放送のテーマは、「なぜ人は歳をとると、涙もろくなるのか」。
そのメカニズムについて伺いました。
涙が出るのはなぜ？
脳と涙の関係性についてひもとく前に、そもそも涙は何のためにあるのでしょうか。
1番の目的は眼を乾かさないようにするためで、涙腺で涙を作り、涙囊（るいのう）という場所で溜めて、そこから少しずつ出しています。
もう1つは目にゴミなどの異物が入った時に流すためで、こすると目を傷つけることになりますので、涙で流す必要があります。
また、あくびをすると涙が出ることがありますが、これは機械的に出させているのが理由。
顔の筋肉を大きく動かすことで、目と鼻の間にある涙囊を圧迫して涙を押し出すためです。
ただ口を開けただけでは涙が出ないため、あくびの場合は何か特殊な動きをしているのかもしれません。
1番の目的は眼を乾かさないようにするためで、涙腺で涙を作り、涙囊（るいのう）という場所で溜めて、そこから少しずつ出しています。
もう1つは目にゴミなどの異物が入った時に流すためで、こすると目を傷つけることになりますので、涙で流す必要があります。
また、あくびをすると涙が出ることがありますが、これは機械的に出させているのが理由。
顔の筋肉を大きく動かすことで、目と鼻の間にある涙囊を圧迫して涙を押し出すためです。
ただ口を開けただけでは涙が出ないため、あくびの場合は何か特殊な動きをしているのかもしれません。
涙の味は感情で変わる!?
一方で、感動したり悲しいことがあったりすると涙を流すのですが、これは一見、目的がなさそう。
涙の成分に関する最近の研究結果では、ストレスホルモンといわれるステロイドが含まれていて、ストレスに関する物質がたくさん含まれていることがわかっています。
「思いっきり涙を流した後、スッキリした！」という経験は、体内のストレス成分を出しているためで、柿木先生は、「社会生活を送る上で、1番良いストレス物質を外に出す方法が涙を流すことなんじゃないかと考えられる」とまとめました。
また、悔し涙や悲しい涙など、感情によって涙の味が違うということもわかっています。
悔しい場合はしょっぱいそうで、ナトリウムが多く含まれるため。
悔しい時は血圧が上がりますが、ナトリウム、つまり塩分を減らすことでわずかながら下げようとすることで、外にナトリウムが放出されるというしくみです。
また、うれしい時や悲しい時は塩気がなく、他の成分の関係でかすかに甘酸っぱい感じになるそうです。
涙の成分に関する最近の研究結果では、ストレスホルモンといわれるステロイドが含まれていて、ストレスに関する物質がたくさん含まれていることがわかっています。
「思いっきり涙を流した後、スッキリした！」という経験は、体内のストレス成分を出しているためで、柿木先生は、「社会生活を送る上で、1番良いストレス物質を外に出す方法が涙を流すことなんじゃないかと考えられる」とまとめました。
また、悔し涙や悲しい涙など、感情によって涙の味が違うということもわかっています。
悔しい場合はしょっぱいそうで、ナトリウムが多く含まれるため。
悔しい時は血圧が上がりますが、ナトリウム、つまり塩分を減らすことでわずかながら下げようとすることで、外にナトリウムが放出されるというしくみです。
また、うれしい時や悲しい時は塩気がなく、他の成分の関係でかすかに甘酸っぱい感じになるそうです。
若い人で涙もろいのはなぜ？
それでは本題ですが、なぜ人は歳をとると涙が出やすくなるのでしょうか。
柿木先生「感情が抑えられなくなるんですね。老化です。
ただ若い時でも涙もろい人がいるのは、病気的でもなんでもなくて、共感脳と呼ばれるものが前頭葉にあって、悲しいものを見ると自分も悲しくなるとか、もらい泣きだったり。
人間が高度に発達してきて、人や物事と共感すると涙が出るようになると。
想いが出過ぎていろんなホルモンとかが出てきて、それを涙としてすぐに処理する」
ただ、歳をとると人生経験が豊富になるため、共感することが多くなってくるということも考えられます。
人の苦労話を聞いても、若い時は実際に同じようなことを経験していないのでピンと来ないですが、歳をとって聞くと、「自分もこんな時があったな」とか、「自分も苦労をしたのでよくわかる」と感じて、泣いてしまうということがあるでしょう。
柿木先生「感情が抑えられなくなるんですね。老化です。
ただ若い時でも涙もろい人がいるのは、病気的でもなんでもなくて、共感脳と呼ばれるものが前頭葉にあって、悲しいものを見ると自分も悲しくなるとか、もらい泣きだったり。
人間が高度に発達してきて、人や物事と共感すると涙が出るようになると。
想いが出過ぎていろんなホルモンとかが出てきて、それを涙としてすぐに処理する」
ただ、歳をとると人生経験が豊富になるため、共感することが多くなってくるということも考えられます。
人の苦労話を聞いても、若い時は実際に同じようなことを経験していないのでピンと来ないですが、歳をとって聞くと、「自分もこんな時があったな」とか、「自分も苦労をしたのでよくわかる」と感じて、泣いてしまうということがあるでしょう。
涙もろくなるのは脳の衰えから
ただ、歳をとって涙もろくなる1番の理由は老化ということですが、脳とどのような関係があるのでしょうか。
人間の感情をコントロールする前頭葉が衰えることで、感情が抑えられなくなって涙が出やすくなるそうです。
柿木先生「泣くとか怒るとかは本能的な話ですよね。
大脳の辺縁系という、どんな動物にでもある1番原始的な脳なんですけど、人間が社会生活を送るようになったから、（怒りなどの感情を）モロに出していたらダメなので、そのために人間は前頭葉が大きく発達したんですね」
ところが、60歳を過ぎると急激に前頭葉の機能が衰えていくそうで、涙もろいだけではなく、キレる人が増えていく要因の1つといえそうです。
人間の感情をコントロールする前頭葉が衰えることで、感情が抑えられなくなって涙が出やすくなるそうです。
柿木先生「泣くとか怒るとかは本能的な話ですよね。
大脳の辺縁系という、どんな動物にでもある1番原始的な脳なんですけど、人間が社会生活を送るようになったから、（怒りなどの感情を）モロに出していたらダメなので、そのために人間は前頭葉が大きく発達したんですね」
ところが、60歳を過ぎると急激に前頭葉の機能が衰えていくそうで、涙もろいだけではなく、キレる人が増えていく要因の1つといえそうです。
前頭葉の衰えを防ぐ方法はない
また、老化と似た現象で、お酒を飲んだ時に涙もろくなったり怒りやすくなったりするのも、お酒によって前頭葉がやられていることが原因。
残念ながら前頭葉を鍛える方法はないそうで、柿木先生は「歳をとって前頭葉が衰えたことを自覚するのが重要」と語りました。
肉体的な衰えは認めやすいのですが、ささいなことで怒った後に「昔はこんなことはなかったのに、老化が原因ではなく自分が悪い」と反省してふさぎ込むことも。
もちろん、「自分はキレてもいいんだ」と開き直るという意味ではありませんが、自分の老化を認めて、気持ちを楽にして、人にも意識的に優しくすることが大事なようです。
また、周りの人も「その話は何回も聞いた」や「またつまらないことで泣いてる」などと言わずに、話を聞いてあげるということも大事なようです。
（岡本）
残念ながら前頭葉を鍛える方法はないそうで、柿木先生は「歳をとって前頭葉が衰えたことを自覚するのが重要」と語りました。
肉体的な衰えは認めやすいのですが、ささいなことで怒った後に「昔はこんなことはなかったのに、老化が原因ではなく自分が悪い」と反省してふさぎ込むことも。
もちろん、「自分はキレてもいいんだ」と開き直るという意味ではありませんが、自分の老化を認めて、気持ちを楽にして、人にも意識的に優しくすることが大事なようです。
また、周りの人も「その話は何回も聞いた」や「またつまらないことで泣いてる」などと言わずに、話を聞いてあげるということも大事なようです。
（岡本）
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