多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

10人に1人が低出生体重児!妊婦は出産までに何キロ増やすべきか?

5月24日放送の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』では、妊婦の体重増加の目安について取り上げました。

女性は妊娠すると出産まで体重が増えていくのが普通です。ところが、最近は、あまり体重が増えない、あるいは増やさない妊婦が増えているそうです。女性の痩せたいという願望も背景にあるのかもしれません。そのせいか、出生時の低体重の赤ちゃんが増えているそうです。

藤田医科大学産婦人科臨床教授の関谷隆夫先生に多田が伺いました。

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体重10kg増は普通

一般的に、妊娠すると体重はどれくらい増えるのでしょうか。

関谷先生「妊娠末期には赤ちゃんの体重が3kg、羊水の量が300g、胎盤が500gを合わせると、少なくとも4~5kg。

さらに妊娠中の女性ホルモンの影響で、循環する血液の量や体に蓄える水分も増えるので、普通の体格の方でも合計10kg程度は確実に体重が増える計算になります」

赤ちゃんは3kgでも体重は10kgは増えるんですね。
 

体型別の体重の目安

日本産婦人科学会が今年3月、妊婦が出産までに増やすべき体重の新しい目安を作りました。

今回の特徴は、体型別にそれぞれに望ましい体重増加の目安が示されたことです。

関谷先生「痩せ型の人では12~15kg、普通体重の人では10~13kg、ふくよかな人では7~10kg、さらにふくよかな人では上限5kgを目安として個別に対応するという具合です」

ポイントはもともとの体型によってどれくらい増やせばいいのか目安が違うところです。
痩せ型の人はもっともっと体重増やしましょう。ちょっとふくよかになっている方がいいですよというメッセージでもあります。
 

痩せすぎのリスク

では妊婦さんが痩せすぎていると、どんなリスクがあるのでしょうか?

関谷先生「妊婦さんが痩せすぎていると妊娠中の栄養が不足して胎児への影響があり、自然分娩が難しくなって帝王切開になるリスクがあがることが示されています」

さらには、生まれてくる時に低体重の赤ちゃんが生まれることが増える傾向があって、その背景に妊婦の痩せすぎがあるのではないかと言われています。
 

低体重の赤ちゃん増加

では、最近の低体重の赤ちゃんが増えている実態です。

関谷先生「小さく生まれる赤ちゃん、いわゆる低出生体重児の生まれる割合は、1980年以降、増加してきています。最近では100人あたり、9.6人となっていて、対策が求められています」

10人にひとりが低体重で生まれてくる近年。この40年間で1.8倍ほどに増えています。もちろん、諸外国と比較しても高い割合だそうです。

低体重で生まれている赤ちゃんはお母さんが痩せすぎていることも背景のひとつであろうということですが、その他に喫煙、高齢出産などいろいろな要素はあるようです。
 

低出生体重児のリスク

低出生体重児は、生まれた後どんなことが心配されるのでしょうか?

関谷先生「予定日より早く生まれた赤ちゃんは、未熟で呼吸や哺乳がうまくできなかったり、いろいろな合併症が起きる可能性が高くなります。

また、その後の赤ちゃんの身体や脳の発達に影響を与えるリスクも高くなります。
さらに無事に育ったとしても、大人になっても糖尿病や高血圧などのいわゆる生活習慣病になりやすいこともわかっています」

低体重での出産の背景にあるかもしれないのが、妊婦さんの痩せすぎというお母さん自身の栄養不足の問題です。
 

望ましい食生活

では、妊娠中の望ましい食生活とはどのようなものでしょうか。

関谷先生「規則正しく三食食べることはもとより、主食として米や麦などの炭水化物を中心にエネルギーをしっかり摂り、肉や魚でたんぱく質を摂り、野菜などで不足しがちなビタミンやミネラルを摂る、などのバランスのいい食生活を心掛けることが大切です」

最後に多田は「妊婦さんの妊娠中の痩せすぎはあまりいいことはないです。逆に、妊娠中のときくらいはちょっと太ろうという気持ちの方がいいのかもしれません」と、まとめました。

30年くらい前は妊婦さんの太り過ぎが問題となっていて、「妊婦さんは体重を増やしすぎないように」と指導された覚えがあります。
時代が変わり、今は痩せすぎが問題となっているようです。
(みず)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2021年05月24日07時18分~抜粋

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