日常の疑問を加藤愛アナウンサーが調査する『多田しげおの気分爽快~朝からP•O•N』の「加藤愛の知ってるつもり?」。
5月20日のテーマは「電子レンジの扉の穴は何のために開いているの?」。
上智大学理工学部物質生命理工学科教授の堀越智先生に聞きました。
電子レンジの扉に無数の穴がある理由
よく見ると扉に穴が
加藤「私は(電子レンジの)中をボーっと見るのが好きで、ちゃんと温まってるのかなと、ついつい見てしまうんですけど、扉の部分、よーく見ると無数の穴が開いているんですよ」
電子レンジの扉の部分は、単なる透明なガラスではありません。
ガラスは二枚構造で、その間に小さい穴が開いたシートのような物が挟まっています。
これは一体何でしょうか?
電子レンジの扉の部分は、単なる透明なガラスではありません。
ガラスは二枚構造で、その間に小さい穴が開いたシートのような物が挟まっています。
これは一体何でしょうか?
分子を振動させて温める
まずは電子レンジが食べ物を温める仕組みから。
堀越先生「電子レンジは、携帯電話とかワイヤレスLANで使っているようなマイクロ波という電波を出す機械です。マイクロ波自体は目に見えません」
このマイクロ波が、食べ物に含まれる塩分や水分に当たると、その分子を震わせます。その振動で食べ物は温まっていきます。
わかりやすく人間に例えると、寒い時は身震いして、身体を動かして温めようとします。
マイクロ波によって食べ物の塩分や水分が震わせて温めるということです。
堀越先生「電子レンジは、携帯電話とかワイヤレスLANで使っているようなマイクロ波という電波を出す機械です。マイクロ波自体は目に見えません」
このマイクロ波が、食べ物に含まれる塩分や水分に当たると、その分子を震わせます。その振動で食べ物は温まっていきます。
わかりやすく人間に例えると、寒い時は身震いして、身体を動かして温めようとします。
マイクロ波によって食べ物の塩分や水分が震わせて温めるということです。
扉も金属だった
電子レンジが食べ物を温める仕組みが分かったところで本題です。
扉の2枚のガラスの間に挟まっている、小さな穴が開いている物。
これは一体何でできているのでしょうか?
堀越先生「光は金属に当たると反射する性質を持っています。マイクロ波も光と全く同じです。
基本的には、電子レンジ自体は、必ず金属で作られています。扉も、金属でできた穴が開いた窓っていう感じに作られています」
電子レンジは金属の箱で、中を飛び交うマイクロ波は外に出て行かないようになっています。
当然、扉からも外に出て行かないように金属が必要です。というわけで、扉の部分、二枚のガラスに挟まれたシールのような物は金属で作られているというわけです。
扉の2枚のガラスの間に挟まっている、小さな穴が開いている物。
これは一体何でできているのでしょうか?
堀越先生「光は金属に当たると反射する性質を持っています。マイクロ波も光と全く同じです。
基本的には、電子レンジ自体は、必ず金属で作られています。扉も、金属でできた穴が開いた窓っていう感じに作られています」
電子レンジは金属の箱で、中を飛び交うマイクロ波は外に出て行かないようになっています。
当然、扉からも外に出て行かないように金属が必要です。というわけで、扉の部分、二枚のガラスに挟まれたシールのような物は金属で作られているというわけです。
見るための穴
扉の部分にはマイクロ波は外に飛び出さないよう、金属が貼り付けらてれいることがわかりました。
ここをよく見ると、1ミリか2ミリぐらいの穴がたくさん開いています。この穴は、何のために開いているんでしょうか?
堀越先生「電子レンジで食べ物を温めている時って、中を見てみたくなりませんか?例えば冷凍パスタなんて温まってくると袋が少し大きくなって、大丈夫かな?なんて、見てみたくなるもんです。実は、あの穴を通して中のものを見れるようなってるんですね」
あの穴は「中を除きたい」という人の欲望を満たしてくれるためにあったのです。
ここをよく見ると、1ミリか2ミリぐらいの穴がたくさん開いています。この穴は、何のために開いているんでしょうか?
堀越先生「電子レンジで食べ物を温めている時って、中を見てみたくなりませんか?例えば冷凍パスタなんて温まってくると袋が少し大きくなって、大丈夫かな?なんて、見てみたくなるもんです。実は、あの穴を通して中のものを見れるようなってるんですね」
あの穴は「中を除きたい」という人の欲望を満たしてくれるためにあったのです。
穴から出てこないの?
しかし穴の数は無数に見えるほど。それでもマイクロ波は飛び出してこないんでしょうか?
堀越先生「マイクロ波は目に見えないんですが、形で表そうとすると波の形になります。一つの波の長さを波長と言うんですが、この波長の半分ぐらいの長さとか1/4ぐらいの長さの穴は波を通しづらい性質があるんです」
電子レンジで使われているマイクロ波は、一波が約12センチだそうです。
そのため3~6センチ程度の穴ならマイクロ波を通しづらくなるそうです。
本来なら、扉の金属部分の穴は3センチぐらいでもいいのですが、自宅での使用を考えて、よりマイクロ波を通しづらくするために、穴のサイズをどんどん小さくしたんだとか。
堀越先生「ただ、あんまり小さくなっちゃうと、今度は中が全く見えなくなってしまうので、だいたい中が見えて、なおかつマイクロ波が100パーセント出てこないサイズが、今使われてる電子レンジの穴のサイズということになります」
電子レンジの扉の、小さな穴は、ちょうどいい大きさに計算されているんですね。
堀越先生「マイクロ波は目に見えないんですが、形で表そうとすると波の形になります。一つの波の長さを波長と言うんですが、この波長の半分ぐらいの長さとか1/4ぐらいの長さの穴は波を通しづらい性質があるんです」
電子レンジで使われているマイクロ波は、一波が約12センチだそうです。
そのため3~6センチ程度の穴ならマイクロ波を通しづらくなるそうです。
本来なら、扉の金属部分の穴は3センチぐらいでもいいのですが、自宅での使用を考えて、よりマイクロ波を通しづらくするために、穴のサイズをどんどん小さくしたんだとか。
堀越先生「ただ、あんまり小さくなっちゃうと、今度は中が全く見えなくなってしまうので、だいたい中が見えて、なおかつマイクロ波が100パーセント出てこないサイズが、今使われてる電子レンジの穴のサイズということになります」
電子レンジの扉の、小さな穴は、ちょうどいい大きさに計算されているんですね。
ピンポイントで温める
マイクロ波を使った電子レンジは日々進化しているそうです。
最先端の電子レンジ事情を聞きました。
堀越先生「携帯電話とか無線LANというのは、指向性といいまして、マイクロ波を出す方向を機械的に制御しています。この技術が電子レンジに移植されようとしているんです」
具体的な例を挙げるととんかつ弁当を温める場合、キャベツや漬物は温めずに、とんかつとご飯だけにマイクロ波を当てて温めるという、そんな電子レンジが開発されているそうです。
最先端の電子レンジ事情を聞きました。
堀越先生「携帯電話とか無線LANというのは、指向性といいまして、マイクロ波を出す方向を機械的に制御しています。この技術が電子レンジに移植されようとしているんです」
具体的な例を挙げるととんかつ弁当を温める場合、キャベツや漬物は温めずに、とんかつとご飯だけにマイクロ波を当てて温めるという、そんな電子レンジが開発されているそうです。
電子レンジにお任せ
冷凍食品などは、時間通りに温めても一部が温まっていない、逆に熱くなりすぎたという経験があると思います。
こういう温めムラをなくす技術も開発されつつあります。
堀越先生「電子レンジ自体が、中に入れた冷凍食品を認識して、適温になるようにマイクロ波を調整しながら温めてくれる。そんな装置も出来上がってたりしますので、温めムラがなくなったり、ヘンに火傷してしまうこともなくなると思います」
「どんどん進化している電子レンジ。どんな最新のものになっても、穴からちゃんと見ることができるということです」という加藤愛アナ。今日もボーっと電子レンジの中を見ていることでしょう。
(尾関)
こういう温めムラをなくす技術も開発されつつあります。
堀越先生「電子レンジ自体が、中に入れた冷凍食品を認識して、適温になるようにマイクロ波を調整しながら温めてくれる。そんな装置も出来上がってたりしますので、温めムラがなくなったり、ヘンに火傷してしまうこともなくなると思います」
「どんどん進化している電子レンジ。どんな最新のものになっても、穴からちゃんと見ることができるということです」という加藤愛アナ。今日もボーっと電子レンジの中を見ていることでしょう。
(尾関)
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