多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

ルーペで楽しむ“苔散歩”。天然の苔庭「十和田湖・奥入瀬渓流」

全国各地には、その地域の風土や文化によって育まれた独自の音があります。

『多田しげおの気分爽快!!~朝からP•O•N 』「日本音の旅」のコーナーでは、そんな各地の音を毎週1つずつ紹介しています。

5月17日の放送で取り上げたのは、青森県の奥入瀬渓流の水音。十和田奥入瀬観光機構の三戸瑠衣さんにお話を伺いました。

[この番組の画像一覧を見る]

モノクロから黄緑色の世界へ

ザーザーという、躍動感のある水の音が響きます。

これは、青森県と秋田県の県境にある十和田湖から流れ出る奥入瀬川の音。最終的には太平洋に流れ出る、全長約70キロの川です。

中でも十和田湖から約14キロに渡って流れる渓流を、特に「奥入瀬渓流」と呼びます。川が流れる渓谷の両側には、四季折々の美しい風景が広がります。

渓流のすぐ横には遊歩道があり、水を間近に見ながら、その音を聞きながらゆっくりと散策を楽しめます。奥入瀬渓流は日本有数の観光地です。

5月の今は新緑の季節。冬のモノクロの風景から、若い芽や葉が生まれ、生命力に満ち溢れた黄緑色の世界に変化しました。

本格的な夏に向かうにつれ、渓流は深い緑色に。秋は燃え上がるような黄色とオレンジ色に変わります。
 

おすすめは「下流から上流」

奥入瀬渓流の遊歩道を数回歩いたことがあるという、旅好きの多田しげお。

散策のコツは「絶対上流から下流ですよね?」と自信満々の多田でしたが、三戸さんの答えは逆。

「渓流の美しさを見ながら歩くためには、下流から上っていくのがおすすめ」なんだとか。

今は雪解けのシーズンで水量が多いと思いきや、こちらもさにあらず。

奥入瀬の水流源は十和田湖という天然のダム。雪解け水や大雨もいったん十和田湖が受け止めるため、渓流への出水量は抑えられます。

台風や大雨の多い雨季には支流からの増水が一時的に増えることはあるものの、基本的には四季を通じて一定の水量を保っているということです。

「水量が安定しているため、倒木や岩についた苔が激流に流されることがなく、美しい景観を保っています」と三戸さん。
 

足元から広がる苔の森

三戸さんによると、奥入瀬渓流の見所は「日本庭園のように美しい景観」。

「源に大きな湖を持つことによる安定した水量のおかげで、岩に苔が育ち、そこから草や木が生えている『奥入瀬らしい景色』がとても魅力的」と教えてくれました。

上流は滝が多いエリア、中流は渓流美を楽しめるエリア、下流は静かな流れと森が流れるエリア。それぞれ滝、流れ、森と見所があるそうです。

奥入瀬渓流は「天然の苔庭」。「ルーペを使って、苔の世界をのぞき込む“苔散歩”がおすすめ」と三戸さん。

奥入瀬渓流には300種類の苔が自生していて、「日本の貴重なコケの森」にも選ばれています。

倒木、岩、橋の欄干、石垣など、あらゆるものに苔が生していて、奥入瀬の緑の印象をより一生濃くしているということです。

「足元から広がる森を感じる。それが奥入瀬らしい景色」と三戸さん。

雨が降ると苔が青々とした深い緑色になるので、雨の日でも渓流を楽しむことができるそうです。
(minto)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
この記事をで聴く

2021年05月17日07時40分~抜粋

関連記事

あなたにオススメ

番組最新情報