多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

黄身より人気がない?実はスゴかった卵の白身

卵かけごはんでご飯の上に卵を乗せる時、あなたは白身を取り除く派でしょうか。

「白身が混ざると、卵の味が薄くなりそう」「黄身だけ味わいたい」という理由で、白身を取り除きたいニーズは高いのか、エッグセパレーターを使って黄身だけ取り出す人もいるほど。

5月13日放送『多田しげおの気分爽快!!~朝からP•O•N』では、「卵の白身は何のためにあるの?」というテーマで、日本養鶏協会エグゼクティブアドバイザー・東京農業大学前教授の信岡誠治さんに、加藤愛アナウンサーがお話を伺いました。

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白身に栄養はあるの?

鶏卵1個の重さは約63gで、殻と卵殻膜を除いて、食べられる部分は約50g。
このうち白身は33g、黄身は17gほどですので、白身と黄身の割合はほぼ2:1ということになります。

場合によっては、3分の2が捨てられてしまうことになりますが、白身はどんな成分でできているのでしょうか。

信岡さん「白身の9割近くは水分なんです。残りの12%がタンパク質とかカルシウムとか炭水化物とか、諸々のものが入ってきます」

ということは、栄養面では白身があまり役に立っていないように見えます。

一方、黄身はというと……。

信岡さん「黄身の成分は、半分強が水分を占めてます。残りの49%が主に脂質、それとタンパク質で構成されてます」

タンパク質の量で比較すると、白身が3.6gに対し黄身は2.8g。
実は白身の方が、タンパク質の絶対量としては多いのです。
 

ひよこの元は黄身ではない

卵がかえる時、なんとなく黄身の部分が変化して、ひよこになるというイメージはないでしょうか。

実は黄身そのものがひよこに変わるのではなく、ある部分が変化するのです。

信岡さん「卵を割って黄身の表面をよく見ると、直径3、4mmの白いブヨブヨとしたものが必ずどこかにあるんです。
それが胚盤といって、ひなの元になるものなんです」

ちなみに、黄身の外側についている白い糸のようなものもありますが、これはカラザといって、別のものです。

信岡さん「これは黄身を支えるひもで、黄身が卵の中央に位置するように支えてるんです


そして、白身はひよこの成長に重要なものなのです。

信岡さん「外からいろんな雑菌が入ってきますけど、それを殺菌するリゾチームっていう酵素を白身が持ってます」
 

白身と黄身で役割が違う

卵が温められてひよこになるまで21日ほどかかりますが、その他にも、白身は重要な役割を担っています。

信岡さん「胚盤の細胞分裂が止まって、器官が形成される元の栄養分として、ほとんど白身の部分が吸収されます」

その後、黄身も重要な役割を果たします。

信岡さん「実は卵の中にいる状態では、黄身はほとんど吸収されていません。
ひなが生まれた直後、身体の中には黄身がほとんど残った状態で存在しますが、3、4日するとなくなっちゃいます。
生まれた直後は消化器官がまだ発達してないんですよ。

黄身はひなの栄養源として、身体の中に持った状態で生まれてくるわけです」

黄身も白身も両方、栄養として必要なものなんですね。

最後に加藤は「卵かけごはんで黄身だけ食べているという方、白身もひよこにとって重要な部分となっているので、大切に食べていただきたい」とまとめました。
(岡本)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2021年05月13日07時40分~抜粋

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