多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

こどもの日といえば柏もち?ちまき?鹿児島では「あくまき」

こどもの日に食べるものといえば、地域によって柏もちだったり、ちまきだったりします。

ただ、鹿児島ではどちらでもなく、昔から「あくまき」というものを食べていて、昔からおなじみのお菓子なのだそうです。

あくまきの「あく」とは、いったい何のことなのでしょうか。

5月5日放送『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』では、あくまきを作られている澤田農園の澤田さんに、電話でお話を伺いました。

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あくまきの「あく」って何?

あくまきの「あく」は、「灰汁」と書かれるもの。

鍋料理などで浮いてくる苦い部分をイメージしがちですが、もともとは木やわらなどを燃やしてできた灰を水に浸した後、上澄み部分をすくって作る液体のことです。

昔は食品に混ぜたり、洗濯や掃除などに使われたりしました。

あくまきの作り方ですが、まずもち米をあくに一晩漬け、そうすると少しオレンジがかった黄色に変わります。

そして、もち米を竹の皮で包んで、数時間ほど炊くとできあがり。

長い間炊いてますので、ご飯のようなつぶつぶというよりは、本当におもちのような1つにまとまった形となります。

味はあくによって少しえぐみがあるそうですが、それが独特の風味を作り出していて、黒砂糖やきな粉などを混ぜたりかけたりすることで、食べやすくするのが一般的だそうです。

中にはしょうゆをつけて食べる人もいるそうで、このあたりはおもちの食べ方と変わらないですね。
 

昔と比べて味は変わった?

あくまきは江戸時代からすでにあったそうですが、やはり鹿児島では昔からおなじみのお菓子だったのでしょうか。

澤田さん「私が子どもの頃は、(あくまきのことを)ちまきと呼んでいたんですが、いつの間にやら、あくまきに変わってました」

昔は鹿児島の人とその地域以外の人で同じ「ちまき」の話をしても、ギャップがあったのかもしれませんね。

また、あくまきの味は今と昔では変わっているのでしょうか。

澤田さん「あくの強さが昔のままだとちょっと食べられないですけど、ちょっと弱くして、わらびもち感覚で食べるような感じで」

今だと甘いお菓子がかなり出回っていますので、今のこどもからすると、少し苦味のあるものは避けられるのかもしれません。
 

あくに漬ける意味は?

澤田さんは端午の節句に向けて、4月からあくまき作りを始められたそうですが、おもちにあくを混ぜるメリットの1つは保存が効くということ。

あくを使うと菌を減らす効果があり、さらに外側の竹の皮も抗菌作用があるため、昔から保存食としても食べられていたというわけです。

また、普通はもち米を炊くとすぐ固くなるそうですが、あくを使うことで固くなるのが遅くなるため、やわらかい食感を得ることができるとのこと。

社会人になって、鹿児島から福岡や大阪、東京などに仕事で出た人にとっては、なつかしのお菓子ということで、実家から送るということもあるそうで、鹿児島の人にとっては子どもの頃の思い出とセットになったお菓子です。

5月5日を過ぎると澤田さんは一段落と思いきや、5月14日まで予約が入っているということで、まだしばらく忙しい状態。

お店によっては、1年中作っているところもあり、あくまきは鹿児島に深く根付いたお菓子ですね。
(岡本)
 
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2021年05月05日08時13分~抜粋

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