多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

実は日本生まれ!?意外と高級なビニール傘

3月31日放送の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』では新コーナーが登場しました。
CBC論説室の北辻利寿特別解説委員の「これ日本生まれです」。

われわれの身の回りに当たり前のようにあるものの中で、実は日本生まれのものを取り上げます。名前がカタカナでも、日本で発明されたもの、日本生まれのものが数多くあります。

第1回目は「ビニール傘」です。

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はじまりは江戸時代

ある調査によると、今やひとりで2本くらいビニール傘を持っているそうです。特に、若い人は傘=ビニール傘の人が多く、コンビニ、薬局で手軽に安く買えます。

「これ日本生まれです」ということですが、どこが考え出したものでしょうか?

北辻「東京都台東区にあるホワイトローズ株式会社というところです。

江戸時代、八代将軍徳川吉宗の時代です。当時は武田長五郎商店と言っていました。
もともとはたばこ商人でした。たばこを保存する湿気をさけるための油紙、これを雨合羽に変えてみたらよく水をはじく。それが参勤交代で重宝されて、その後、江戸幕府御用達の雨具商人になりました」
 

ビニール傘の誕生

北辻「その後、主力商品が雨合羽から傘に変わっていきます。

昭和の終戦後、傘の主流は綿になりました。
雨が降ると綿にしみこんで重い。その上色落ちすることで、これは困った。
そこに進駐軍がビニールという素材を持ち込んできた。では、ビニールで綿の傘を覆うカバーを作ればいいのではと考えた。このビニールカバーが人気爆発、大ヒット。
だったら、いっそ綿をやめて傘に貼ってしまえ、と」

多田「そこで素材がビニールの傘が誕生した」

北辻「ここでなるほどと思ったのは、雨の日は見通しが悪い、どうして目の前を防ぐような綿でやるのか。ビニールなら見通しがよくていいじゃないかというところに発想があります」
 

1本10,000円の傘

ビニールの傘を作って、どんどん普及していきますが、安いものは中国産などが増えています。
今はホワイトローズ株式会社はどういう傘を作っているのでしょうか。

北辻「注文を受けた上で、値段は高くても良質な高いビニール傘を作っています。
年間12,000本ほどしか製造できなくて、1本10,000円前後くらいする高級ビニール傘の会社になっています」

一時期はビニール傘を作っている会社は日本で50社ほどありましたが、今はホワイトローズ株式会社だけになりました。
 

選挙に『カテール』

ホワイトローズ株式会社では、たとえばどんな傘を作っているのでしょうか。

北辻委員「例えば選挙の街頭演説のためのビニール傘を作っています。候補者の顔を見せないといけないからビニール傘がもってこいです。さらには選挙カーの上なので風、雨に強いことも必要です。丈夫ということで、グラスファイバーの傘骨を使ったビニール傘、名前が『カテール』」。

多田「選挙にカテル(勝てる)」。

北辻「他にはお寺の住職から、お墓の前でお経を読むときに使えるビニール傘をという要望がありました。
傘が弱くてもダメだし、お墓の前は狭いので、3人くらい入れる大きなビニール傘。
お経の時間は長いと疲れてくるので、軽くて手元も握りやすいものを作りました。名前は『テラ・ボゼン』。

高齢者向けに普段はステッキとして利用でき、雨が降ってきたらビニール傘になる。これも丈夫ですし、手元が握りやすい工夫がされています。名前が『仕込み傘信のすけ』」。

ビニール傘は文化

ホワイトローズ株式会社は、今は日本を代表する高品質のビニール傘を作る会社になっています。

北辻「10代目の須藤宰社長とお話しましたが『ビニール傘は文化です』と。参勤交代から今日に至る長い歴史を背負って、いま街にあふれるビニール傘。今度傘を使う時思いがありますよね」

多田は「ちょっといいビニール傘をさして軽快に町を歩きましょう、という気持ちになります」とこたえました。

ビニール傘が日本製の文化と知ると、もっと大事に使いたくなりますね。
(みず)
 
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2021年03月31日07時42分~抜粋

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