多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

札幌の時計台は、140年変わらず動き続けている。

『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』では、今週から新コーナーが誕生しました。3月29日放送の月曜は「日本音の旅」。

日本の全国各地には、その地域の風土や文化によってはぐくまれたその地域独自の音がたくさんあります。毎週それをひとつずつ紹介し、日本を音で旅していこうというコーナーです。

初回は札幌の札幌市時計台の音です。
その館長の下村康成さんに電話で伺いました。

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日本最古の動いている時計台

最初に、カーン、カーンと時計台の鐘の音が流れます。

札幌市時計台は町のど真ん中にあるので、収録にはどうしても車の音が入ってしまいます。
それゆえ市の中心にある札幌のシンボルである時計台の音だな、と感じます。

設置されたのは1881年、明治14年、140年前です。現存する日本最古の動いている時計台の時計と言われています。
今でも毎正時に札幌の街に時を告げています。
 

最初は時計はなかった

札幌もすっかり暖かくなってきました。
下村さんによると「時計台の音は、真冬に聞く音と雪によって音が吸収されて静かな音になりますが、春だと響き渡るような感じ」がするそうです。
札幌市の市民の方は音の響きで春を感じるのですね。

札幌市時計台は札幌農学校の演舞場だったそうです。

下村さん「今の北海道大学の前身の学校になります。その体育館のような役割のために建てられて、ここで卒業式、入学式、講演会など、各種晴れの舞台として活躍していました」

そこにあとで時計がつけられたそうです。

下村さん「最初、明治11年に建てられた時は時計はついていなかったです。開拓長官の黒田清隆が開業式に訪れた時に、東京などで時計をつけるのが流行っていたことから、この演舞場にも時計をつけることになりました。3年後時計が設置されました」

それが現在では、札幌の観光名所となりました。
 

意外と大きい!

あの時計の高さは何メートルくらいでしょうか?

下村さん「高さ約20mあります。時計台が小さいと言われますが、明治の時代だと、一番大きい建物でした。

文字盤は167cmあります。針の長さが分針が85cmで、時針が63cm。

二階に同じ会社の展示用の時計があり、文字盤も同じ大きさで作っています。中に入った方は、こんなに大きかったのだと感激されます」

外から見るだけでなく、中にも入ると時計台の価値もわかりおすすめだそうです。
 

動力はおもりの重力?

ところで、この時計は140年間ずっとちゃんと動いていたのでしょうか?

下村さん「そうですね。ほぼその当時の部品を使っています。部品の交換もいっさいしてなく、今もその動力に電気や電池は使わず、おもりが下に下がる力を利用して動いています。
3日に1回巻き上げをしています」

おもりを上の位置まで戻して、そのおもりの重力が針を動かす動力となっています。

下村さんは「今でも、日に1秒狂うか、狂わないかくらいの精度で動いています。今の時計にも負けないような精度です」と胸を張ります。
 

メンテナンスは大変

しかし、メンテナンスは大変そうです。

下村さん「やはり当時の部品がもうないです。ですので、なるべく当時の形を残すように丁寧に扱って、壊れないように保守しています。

もし壊れたら、その部分だけ作ることになります。時計も重要文化財に指定されていますので、全部交換とはなりません。なるべく長く持たせるようにしたいです」

多田「動いているものを守っていくのは大変ですね。ちゃんと140年前の時計が今でも動いているという素晴らしさを見て欲しいですね」

札幌のラジオ局では時報代わりに鐘の音を流しているところもあるようです。
鐘の音は札幌市民の生活に溶け込んでいます。
(みず)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2021年03月29日07時43分~抜粋

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