多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

知らないと恥ずかしい?「選択的夫婦別姓」とは

「選択的夫婦別姓」、このところよく話題にのぼります。
3月17日放送の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』では、これを取り上げました。

簡単にいうと、結婚した夫婦は別の姓を名乗ることもできます。同じ姓を名乗ることもできます。どちらにするか選択することができるという制度です。

CBC論説室の後藤克幸特別解説委員がスタジオで解説しました。

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今のルールは?

多田「まずは今のルール、日本の今の民法ではどういうルールになっていますか?」

後藤「婚姻届けを出すときに夫婦は同じ苗字でなければいけないというルールです。

ただし、男性側、女性側、どちらの苗字を選んでもいいとなっていますが、今、96%の女性が男性の苗字に合わせているという厚生労働省の統計があります。

この場合、どちらかが必ず相手の苗字に変える必要がでてきます」
 

選択的夫婦別姓とは?

多田「では、選択的夫婦別姓とはどういうものですか」

後藤「夫婦が同じ苗字を名乗ってもいいし、別々の苗字をそれぞれが名乗ってもいい。希望する方を自由に選んでくださいという制度です。
どちらかが原則ということではなく、それぞれの自由は対等な自由と位置付けるものです」
 

欧米は選択的夫婦別姓

多田「外国はどうなっていますか?」

後藤「欧米諸国では、ほとんどが選択的夫婦別姓です。
実は、日本でも国際的な流れにそって、25年前1996年に法務省の審議会で選択的夫婦別姓を実現するための民法の改正案まで提案されて議論をしようとしましたが、その後、日本では実現もされてないし、議論も深まっていきませんでした」

多田「このところ夫婦別姓が話題になってきたわけでなく、実はずっと以前から話題に上がったりはしていたんですね」
 

明治後期の民法から

多田「なぜ議論さえ進まないのでしょうか」

後藤「歴史でいうと、日本で庶民が苗字を名乗るようになった明治の初期の段階では、実は奥さんは実家の苗字を名乗るのが一般的だった時代もあります。

それが明治後期になって民法が整備されました。民法には家制度という昔から日本の価値観が強く反映されていたので、家族は家長の苗字を名乗るとなりました。

当時は女性は結婚によって夫の家の嫁となり、良妻賢母として家庭のために人生をいきるというものでしたが、それが民法に反映され、まだ現在もいきています。

戦後、民法ができあがっていますが、そこでも夫婦については同じ苗字を名乗るという価値観を引き継いでいます」
 

時代は変わる

現在、自民党の国会の有志が地方議員に送ったという反対文書の中にも、この点をついている訴えがあって、夫婦別姓を認めると、家族単位の社会制度が崩壊するなどと訴えています。

多田「今、一年間に2万組以上の方が国際結婚をされています。国際結婚の場合は、夫婦別姓でもOKです。
では、国際結婚をしている家族が崩壊しているかというとそうではないですよね」

後藤「今、女性は社会進出が進んでいますし、家は現在の社会では家長がひとりで背負って守るものではなくて、夫婦が協力しあって築いていくという価値観に変わっています」
 

世論調査では?

多田「世論調査ではどうですか」

後藤「法務省の審議会が改正案を出した25年前当時は、夫婦は同じ苗字を名乗るべきで法律を変えなくていいという意見が4割で、夫婦別姓を名乗れるように法律を改めてもいいのではないかと考える人は3割程度でした。

最近の2017年の調査では逆転しています。希望する夫婦は別姓を名乗れるように法律を改めてもよいという方が4割を超えてきていて、同じ苗字でないといけないという方は3割弱と少数派です」

多田「一般の意識もどんどん変わってきている、あとは古い価値観の政治家の人が問題ですね」

後藤「世論がこういう風に逆転していますし、国会議員の中にも、女性議員の中にも、新しい価値観を法律に反映させるべきだという考えの方もいますし、流れとしてはこの方向にいくと思います。

実は、各地で訴訟も起きていて、夫婦が別姓を名乗れないためにいろいろな不利益があるという訴訟が複数あって、これの判決が今後いろんな形で出てきますから、政治にも影響を与えていくと思います」
(みず)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2021年03月17日07時19分~抜粋

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