多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

「もうないよ」と言うと理解する?奈良の鹿への正しいせんべいの与え方

奈良県と言えば真っ先に鹿をイメージする方も多いでしょう。
しかしこれらの鹿は野生なのか、天然記念物なのか、また県民にとってどんな存在か、などの疑問も浮かびます。

3月16日『多田しげおの気分爽快~朝からP•O•N』では、奈良の鹿愛護会事務局長の蘆村好高さんに話を伺いました。

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いつ頃から奈良に鹿はいる?

奈良に鹿が存在するようになったのはいつからなのでしょう?

蘆村さん「春日大社さんが創建された768年に、神が白い鹿の背に乗ってやってきたという故事があります。そこから鹿は神の使いとして大切にされてきたという歴史があります。だから、その頃からきっと鹿はいたんだろうと思います」

今から1243年前、春日大社創建の頃には奈良公園の辺りには鹿がいたことになります。以来、その地を治めていた歴代の権力者が、鹿を大事に保護していたそうです。
古典落語『鹿政談』はそんなところから題材が取られています。

奈良公園の鹿は、芝、草、木の実が主食だそうです。鹿せんべいはおやつで主食ではないんだとか。

蘆村さん「だいたいは山の方で寝てると言われてるんですけども、もっと町場に近いところで寝てる子も居ると思います」

「寝てる子」という表現に鹿への愛情が感じられます。
 

鹿のいる生活

先日、この奈良の鹿が殺されるという悲しい出来事がありました。
鹿は文化財保護法による天然記念物に指定されているので、傷つけると文化財保護法違反になるそうです。

とはいえ野生の動物なので、少なからずトラブルもあるようです。

蘆村さん「畑のものを食べたとか、庭に植えてあった植栽を食べたとか、そういった小さなトラブルはたくさんありますね」

奈良の鹿は落語で笑い話にもなっているくらいなので、これもしょうがないなぁと奈良の市民の方たちは、大きな心で見ているということなんでしょう。
 

鹿とのトラブル対策

地元の人は鹿と生活する距離感を心得ていますが、観光客にはなかなか付き合い方がわかりません。
そこで鹿とのトラブルを回避するため、蘆村さんたち「奈良の鹿愛護会」では様々な取り組みをしています。

5~6月は出産シーズンで子鹿が生まれます。人は子鹿が可愛いので、ついつい近づいてしまいます。すると、母鹿は子鹿を守ろうと人を攻撃してしまいます。鹿につつかれたという笑い話で済めばいいのですが、大怪我に繋がる可能性もあります。

そこで、妊娠してる鹿を4月に緑苑という施設に保護して、そこで出産をさせるようにしているそうです。
 

安全対策兼風物詩

鹿の角は、春頃から生え、8月の下旬に完成します。
しかし、秋になるとオス鹿が発情期になって気が荒くなります。オス同士で角の突き合わせという行動が起こります。また、人が角で突かれて怪我をするという事故もあります。

そこで安全対策として江戸時代から続いているのが「角切り」。鹿の角を切り落とすという豪快な行事で、奈良公園の秋の風物詩にもなっています。

角を切ることで、鹿同士が喧嘩しても大怪我にならないように、「角切り」は人も鹿も守るための行為です。
 

正しい鹿せんべいのあげ方

観光客と鹿との触れ合いとして真っ先に浮かぶのが鹿せんべい。これも食べさせ方を誤るとトラブルが発生します。
そこで正しい鹿せんべいの与え方を聞きました。

蘆村さん「小さなお子さんだけでせんべいをあげるというのは、野生の鹿なので、大変危険です。必ず親御さんと一緒にあげるようにしていただきたい」

こどもにせんべいをあげさせている様子を写真に撮る人がいるそうですが、これは危険な行為。
また鹿せんべいを細かく砕いて、鹿に意地悪をするようなあげ方をする人もいるんだとか。これも危険な行為。

蘆村さん「鹿がイラついて攻撃しちゃうんで、普通にあげてください。全部あげたら“もうないよ”と言えば、鹿も諦めると思うんで、そういうところを気を付けて欲しいですね」

実際「もうないよ」というポーズをとると、鹿はそれを理解してくれるのでしょうか?

蘆村さん「理解してくれますよ(笑)」

さすがが神の使いです。 
(尾関)
 
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2021年03月16日07時21分~抜粋

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