多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

半島、半紙、半導体…いったい何の半分?

『多田しげおの気分爽快!!~朝からP•O•N』の金曜日は、石塚元章の金曜コラム。

CBC論説室特別解説委員の石塚が毎週1つのキーワードを挙げ、さまざまな角度から分析していますが、3月12日放送のテーマは「半分」でした。

この日は「半ドンの日」、半ドンは半分休みという意味ですが、1876年(明治9年)のこの日、官公庁などで土曜は半分休みにすると制定されたことにちなんで、「半ドンの日」と制定されています。

週休二日制が当たり前の今となっては、「半ドン」はもはや死語となっていますね。

[この番組の画像一覧を見る]

半ドンの「ドン」って何?

「ドン」の由来については、正午に「ドーン」と大砲を撃っていたからという説や、オランダ語で日曜を意味する「ドンターク」から来ているなど、諸説あります。

「半分」そのものの意味は2分の1、50%のことを指します。

今話題の接待問題では、「折半」して払っていないことがクローズアップされますが、こちらはきっちり半分という意味。

また、日本や中国で「赤道」と呼んでいる線は、英語では「equator」と言いますが、イコール(equal)と語源が同じ。

北半球と南半球の広さがまったく同じ、つまり地球をきっちり半分に割る線という意味です。

春分の日や秋分の日を「equinox day」と呼ぶのもイコールと語源が同じ、昼と夜の長さが全く同じ、昼と夜がきっちり半分ずつということになります。
 

半分は50%とは限らない?

ただ、石塚は本当に半分を2分の1の意味で使っていることが意外と少ないと語ります。

例えば、ほとんど100%に近いのに「半」と付く言葉の1つが「半永久的」。

ほとんど永久と言いたいけど、永久とは言い切れない時に使いますね。

悪い意味で使う「面白半分」や「冗談半分」という言葉は、ほぼ「面白」や「冗談」側に寄っています。

逆にゼロに近いのが「話半分」で、あまり信用できない時に使います。

また、「半人前」や「半可通」は、そこまでに達していないという意味で感覚的に「半」の文字が使われます。

片方側に寄っている意味で使われるのが「二枚目半」、やや三枚目寄りになっています。

そして、半分どころか100%を超えるケースも。

2018年のFIFAワールドカップで活躍した大迫勇也選手に対し、「大迫、半端ないって!」という賛辞の言葉が流行語となりましたが、とてつもない活躍という意味に使われました。
 

「半紙」って何の半分?

この「半分」、「半」という言葉ですが、語源がよくわからないまま浸透している言葉もあります。

例えば知多半島や渥美半島などの「半島」。

島は四方を海などに囲まれた陸地ですが、半島は3方向が囲まれた場所のことを指します。

また、習字などで使う「半紙」は、何の半分なのでしょうか。

もともとは和紙の規格である「杉原紙」の半分の大きさのものを指しますので、実はサイズは決まっているのですが、今やサイズを問わず、習字に使う紙全般のことを表すようになっています。

機械などに使われる「半導体」は、電気を通す導体と、電気を通さない絶縁体の中間なので「半」導体ですが、条件によっては電気を通したり通さなかったりするという性質が、私たちの生活に大きく役立っています。
 

反対意見もどうくみ取るか

ひと口に「半」といっても、ほぼ0から100%オーバーまでと、いろいろな意味を持つ奥深い言葉ですが、石塚は今の社会では半分をどう意識するのかが重要だと語ります。

日本を含め民主主義国家では、ある案に対して賛成か反対かを決める時、半分を超えるかどうかが基準となり、あくまでも多数決がベースではありますが、それで決めさえすれば良いとは限りません。

石塚は最後に、「あとは自分がこっち半分にいた時に、違う半分の方にいる人たちのことを慮れるか、理解できる優しさがあるかっていうことが、実はとても今の社会では大事なのではないか」とまとめました。
(岡本)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
この記事をで聴く

2021年03月12日07時21分~抜粋

関連記事

あなたにオススメ

番組最新情報