多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

知って治そう、今年の花粉症。

花粉がたくさん飛んでいるシーズンです。花粉症の方にとっては本当にやっかいな季節が始まりました。

3月3日放送の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』では「花粉症」を取り上げました。

そもそも花粉症はいつごろから、そして、なぜこんなに流行りだしたのでしょうか。
多田しげおが、医療関係について取材を続けているCBC論説室の後藤克幸特別解説委員に話を聞きました。

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アレルギー疾患のひとつ

花粉症はそもそもはアレルギー疾患のひとつです。
外から入ってきた異物、これに対して身体は免疫反応をもっています。これが過剰に働くのがアレルギー疾患です。

例えば花粉症の場合は、花粉が異物、これに対して、鼻水が出過ぎる、目がかゆくなりすぎる、くしゃみばかりするのが症状です。
 

日本は1960年代から

多田「花粉症はいつごろからあるものでしょうか?」

後藤「紀元前古代ギリシアの時代にもそれらしき病気の記録がありますが、近代医学の歴史に花粉症として記録されるのは19世紀になってからです。

1819年にイギリスの医学者が、畜産に従事している人たちの多くが牧草の刈り取り時期になると、アレルギー性鼻炎になる。それを研究したお医者さんがいて、これをイネ科の植物の花粉が原因とつきとめて論文を書いています。

日本ではあまり記録がなく、戦後1960年代になってスギの花粉症とか、ブタクサなどの花粉が原因の症例が報告されはじめたと言われています」
 

花粉症が増えたわけ

多田「なぜ1960年代ころから日本では顕著になりはじめたのでしょうか?」

後藤「スギの花粉がたくさん飛ぶようになったという状況があります。
日本は第二次世界大戦後、戦後復興のために大量の木材が必要となり、スギの植林がさかんに行われました。

その中で、戦後植えたスギの木が20、30年で花粉を大量につけるようになります。1945年が終戦で、それから20年くらいたった1960年代は、植林が始まったスギが花粉を飛ばし始めるころと重なりました」

多田「60年代70年代と、ますます花粉を飛ばしはじめ、その頃から、どんどん花粉症の症状をあらわす人が増えてきたんですね」

後藤「さらに最近では、地球温暖化の影響も加わって、飛散する花粉の量も増えているのではないかと言われています。まさに現代病になりつつあります」
 

花粉を減らす取り組み

多田「人の知恵でなんとか花粉量を減らすことはできないんですか?」

後藤「日本の科学も進歩していて、花粉の少ないスギの品種を開発していて、その苗をどんどん植えて、古い世代のスギと替えていこうという植林活動が、今、さかんに行われています。

さらに、科学的な薬剤でなく、自然界の微生物の力を借りて、花粉を飛ばないようにできないかという花粉飛散防止剤の研究もすすんでいます。
それらが成果をあげてくると、花粉が飛ばない日本が生まれるのかなと期待されます」

多田「日本の国民のうちの30%ほどは花粉症だと言われていますし、スギ以外でもヒノキ、イネ科の花粉が言われていて大変ですね」
 

専門医と相談を

多田「治療法は進化しているんですか?」

後藤「今の医学の技術は日進月歩です。いろんな薬剤や治療法が開発されつつあります。素人判断で自分でこもるのではなく、近所の耳鼻科の先生や専門医にちゃんと相談をして、的確な治療を受けてください」

多田「アレルギーは人それぞれ、隣の人がこれでよくなったから私もではなくて、それぞれ自分にあった治療法をお医者さんと相談した方がいいということですね」

後藤「ちゃんと検査して、自分の身体が何に反応しているかを調べたうえで、それをターゲットにした最新の治療薬、治療法のアプローチを専門医と相談してからすすめると的確に症状が抑えられると思います」

以前は花粉症は一度なったら治らないと言われていましたが、最近の治療は進んでいるようです。一度、専門医と相談するのもいいかもしれません。
(みず)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2021年03月03日07時22分~抜粋

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