多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

「起き上がり小法師」は、倒れても必ず起き上がる会津のこころ。

2月23日放送の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』の「日本全国47の旅」では福島県の「起き上がり小法師」(おきあがりこぼし)という郷土玩具を取り上げました。

他の地方でも作られてはいますが、もともとは会津で400年ほど前から作られている郷土玩具です。

会津で「起き上がり小法師」の絵付けをしている早川美奈子さんに電話でお話を伺いました。

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素朴なこどもの表情

一般に「おきあがりこぼし」というと、昭和の頃、広く市場に出回っていた、セルロイド製の乳児用の「おきあがりこぼし」を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。

会津の「起き上がり小法師」も原理は同じですが、もっと古くから郷土の玩具としてあったものです。

大きさそのものは多くは手のひらサイズ。下半分がちょっともっこりして、円錐形になっています。底の面は平らではなく、卵型の球面。重心が下の方に入っているので、これを斜めにしても倒しても、自然にひょっこり起き上がるというものです。

細い線で顔が描かれていて素朴なこどもの表情をしています。今では、さまざまな絵が描かれたものもあります。
 

「七転八起」の人柄

多田「私も若い頃、買った覚えがありますが、ちょっと倒してはひょっこり起きて机の上でやっているといつまでもやってたくなりますね。
いくら倒してもまた起き上がってくるというのは、会津の方たちのお人柄ですか」

早川さん「そうですね、会津藩主のそういう気持ちを忘れないようにと作らせていたということもあるんですね」

転んでも転んでもすぐに起き上がる様子から、「七転八起」といって古くから縁起物とされたようです。
 

小さい笑った顔

多田「そもそも何からできていますか」

早川さん「紙でできています。中は空洞です。
きちんとしたもともとの形があって、そこに紙をくっつけていき、後から紙だけをとります」

多田「伝統的な昔からの柄というとどんなものがありますか」

早川さん「稚児の姿を現している言われてます。定番は赤の帯のようなものをぐるっとまわして、上の方に小さい笑った顔が描いてあるというものです」
 

ムンクの『叫び』も!

多田「今風の作品もありますね」

早川さん「震災の後くらいから、起き上がり小法師というフォルムを使っていろんな模様やそこに動物に模したものを描いたりしています。
ムンクの『叫び』の顔はコラボしたものです」

多田「いろんなデザインを考えると楽しいですね」

早川さん「いろんな人がそれを楽しいといって買ってくれるのが私はうれしいし、民芸品にあまり興味のなかった人でも手にしてくださるので、いいことかなと思います」
 

縁起物

多田「地元の方は起き上がり小法師を毎年、年の初めに買うそうですね」

早川さん「初市という地域で初めておこなわれる市で、いっぱい売っているお店があって、そこでみなさん買い求めてます。年に1回新しくしていきます。

古いものは年の初めに御焚き上げみたいな行事があって、そこでみなさん焼いて納めるという習慣になっています」
 

家族の数より1個多く

多田「その年の初めに幸せを祈願してということなんですね」

早川さん「家族の数より1個多く買って、家族の繁栄とかを祈ります。
そういう習わしが続いていくこと、生活に根付いていくことが大事だなと思いますね」

多田は「年の初めに市で、家族の数プラス1個買う」という風習に、人の生活の豊かさや文化を感じました。
(みず)
 
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2021年02月23日07時42分~抜粋

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