先日、米大統領にジョー・バイデン氏が就任し、米は地球温暖化対策の国際的枠組み「パリ協定」に復帰しました。
1月26日放送の『多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N』は地球温暖化の話を取り上げました。
というのも、国連が「コロナで経済活動が縮小した結果、二酸化炭素の排出量が前年と比べて7%ほど減った」との発表を先日行ったのです。
そもそも温室効果ガスとは、気候温暖化とはを、もう一度、やさしく勉強してみましょう。
気象予報士として沢朋宏アナウンサーが解説しました。
CO2排出量が7%減なのに、地球温暖化が止まらない理由
7%減ったけれど…
確かに、前年と比べて経済活動が全地球レベルで低下しています。二酸化炭素の排出量も前年と比べ7%減りました。
でも、産業革命以降の大きな構造からいうとほんの少しの影響しか与えないようです。
沢「前年と比べて、7%減ったものの、出た量が減っただけで、総量が減ったわけではないです。二酸化炭素の総量は増えています。
いろいろ研究はありますが、研究者の計算結果だと、7%減ったということのインパクトはその先50年間において気温の上昇を0.001度遅らせた」
「0.001度遅らせた」だけということは、残念ながら微々たる影響しかないようです。
でも、産業革命以降の大きな構造からいうとほんの少しの影響しか与えないようです。
沢「前年と比べて、7%減ったものの、出た量が減っただけで、総量が減ったわけではないです。二酸化炭素の総量は増えています。
いろいろ研究はありますが、研究者の計算結果だと、7%減ったということのインパクトはその先50年間において気温の上昇を0.001度遅らせた」
「0.001度遅らせた」だけということは、残念ながら微々たる影響しかないようです。
温室効果ガスとはなに?
では、そもそも温室効果ガスとはなにでしょうか。
沢「気体の名前でいうと一番メジャーなのは二酸化炭素、メタン、代替フロンなど。
それが空気中にいっぱい含まれています。これが何をするか。
日が昇ると太陽からのエネルギーが地球に入ります。そのあと目に見えない赤外線となってファーと外に出ていきます。
二酸化炭素は赤外線がくると受け止めて、自分が温かくなるという効果があり、熱を逃がしません」
多田が言い替えます。
「太陽が地球を温めています。地球を温めたあと、その熱は宇宙へ放散されていきます。ところが放散される途中に、地球をとり囲むように二酸化炭素の層があり、放散されていくはずの熱を遮断している」
二酸化炭素などの温室効果ガスが地球を温めているわけです。
沢「気体の名前でいうと一番メジャーなのは二酸化炭素、メタン、代替フロンなど。
それが空気中にいっぱい含まれています。これが何をするか。
日が昇ると太陽からのエネルギーが地球に入ります。そのあと目に見えない赤外線となってファーと外に出ていきます。
二酸化炭素は赤外線がくると受け止めて、自分が温かくなるという効果があり、熱を逃がしません」
多田が言い替えます。
「太陽が地球を温めています。地球を温めたあと、その熱は宇宙へ放散されていきます。ところが放散される途中に、地球をとり囲むように二酸化炭素の層があり、放散されていくはずの熱を遮断している」
二酸化炭素などの温室効果ガスが地球を温めているわけです。
温室効果ガスは必要?
では温室効果ガスがいっさいなければいいのでしょうか。
沢「温室効果ガスは本来は地球上の生き物にとってはなくてはならないものです。なぜか。
計算上、仮に、二酸化炭素やメタンがいっさいない空気を仮定すると、地球上の全平均気温はマイナス19度になるといわれています。水が氷る世界です。生命の維持が難しい。
産業革命以前からあった温室効果ガスのおかげで、地球上の平均気温が今、15度に保たれています」
つまり人などが住める環境になっているのは、温室効果ガスがあるから。
ところが人間の活動によって今、温室効果ガスが増えすぎて、いろいろな問題を引き起こしているのです。
沢「温室効果ガスは本来は地球上の生き物にとってはなくてはならないものです。なぜか。
計算上、仮に、二酸化炭素やメタンがいっさいない空気を仮定すると、地球上の全平均気温はマイナス19度になるといわれています。水が氷る世界です。生命の維持が難しい。
産業革命以前からあった温室効果ガスのおかげで、地球上の平均気温が今、15度に保たれています」
つまり人などが住める環境になっているのは、温室効果ガスがあるから。
ところが人間の活動によって今、温室効果ガスが増えすぎて、いろいろな問題を引き起こしているのです。
何度暑くなった?
では、現在、気温はどのくらい上がったのでしょうか。
沢「産業革命以前に比べて、今の気温は平均で1.1度から1.2度くらいは上がっています。
0.1度ですら大きなものです。
パリ協定が目標としているのは、できれば産業革命以前からの気温上昇分を1.5度までに抑えたい。
1.5度は正直無理かもしれません、でも、2度以内に抑えたい。
そんな小さな幅でと言いますが、これが難しいくらい、いま気温は全体的に上昇しています」
沢「産業革命以前に比べて、今の気温は平均で1.1度から1.2度くらいは上がっています。
0.1度ですら大きなものです。
パリ協定が目標としているのは、できれば産業革命以前からの気温上昇分を1.5度までに抑えたい。
1.5度は正直無理かもしれません、でも、2度以内に抑えたい。
そんな小さな幅でと言いますが、これが難しいくらい、いま気温は全体的に上昇しています」
温暖化が進むと起きること
地球の温暖化がどんどん進むと、単に暑いだけでなく、どんなことが起きるのでしょうか。
沢「地球温暖化の一番のインパクトは暑いではなく、気温が上がることで大気中に含まれる水蒸気の量が増えてしまうことです。
冬の雨の降り方と夏の雨の降り方は違います。冬はそもそも含むことのできる水蒸気量が少ない。夏は気温が高いので、含むことのできる水蒸気量がめちゃ多い。ということはどしゃぶりのリスクがどんどん増える」
多田「つまり水害が起きやすくなる」
沢「また、大気の流れ、偏西風が蛇行する場所がずれてきます。雨の降りやすい場所が、陸ではなく海に移動する可能性が高い。
となると、地球上で降っている雨の総量は多いのに、結果的に干ばつも考えられる。
さらには、水蒸気量が増えるということは、陸地からも水分が空気中に奪われます。今、オーストラリアとかアメリカのカリフォルニアで山火事が多発しているのも、実は地球温暖化による大気の異常乾燥が原因ではないかと言われています。
山火事は起きる、大陸の干ばつは起きる、大雨のエリアはずれる、ずれたところで人的被害が起きる。
結果的に起きるのは、食料不足と水不足と、最終的には紛争が起きるのではと言われています」
ただ暑いだけなら、2度くらいなら我慢しますが、食料不足、水不足は大変なことです。
沢「地球温暖化の一番のインパクトは暑いではなく、気温が上がることで大気中に含まれる水蒸気の量が増えてしまうことです。
冬の雨の降り方と夏の雨の降り方は違います。冬はそもそも含むことのできる水蒸気量が少ない。夏は気温が高いので、含むことのできる水蒸気量がめちゃ多い。ということはどしゃぶりのリスクがどんどん増える」
多田「つまり水害が起きやすくなる」
沢「また、大気の流れ、偏西風が蛇行する場所がずれてきます。雨の降りやすい場所が、陸ではなく海に移動する可能性が高い。
となると、地球上で降っている雨の総量は多いのに、結果的に干ばつも考えられる。
さらには、水蒸気量が増えるということは、陸地からも水分が空気中に奪われます。今、オーストラリアとかアメリカのカリフォルニアで山火事が多発しているのも、実は地球温暖化による大気の異常乾燥が原因ではないかと言われています。
山火事は起きる、大陸の干ばつは起きる、大雨のエリアはずれる、ずれたところで人的被害が起きる。
結果的に起きるのは、食料不足と水不足と、最終的には紛争が起きるのではと言われています」
ただ暑いだけなら、2度くらいなら我慢しますが、食料不足、水不足は大変なことです。
不可逆点が怖い
沢「いま一番研究者の中で言われているのが、『不可逆点がある』ということだそうです。不可逆点、元に戻らない点です。
産業革命後、1.1とか上がってきた。それが1.3か1.4か、どこかの点以上に上がってしまうと、もう二度と地球が冷えないという点がある。これがどこかわからない」
多田「すぐ目の前にあるかも」
沢「だからこそ、いまなんとかして、温暖化を食い止めようと言われているのです」
多田は「本当に重大な局面に来ていることを全地球人が意識しないといけないのですね」と、意識づけの大切さを説きました。
(みず)
産業革命後、1.1とか上がってきた。それが1.3か1.4か、どこかの点以上に上がってしまうと、もう二度と地球が冷えないという点がある。これがどこかわからない」
多田「すぐ目の前にあるかも」
沢「だからこそ、いまなんとかして、温暖化を食い止めようと言われているのです」
多田は「本当に重大な局面に来ていることを全地球人が意識しないといけないのですね」と、意識づけの大切さを説きました。
(みず)
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