長野県にある諏訪湖では、冬になると「御神渡り(おみわたり)」という、独特の自然現象が発生します。
寒い冬の時にしか現れず、平均すると1年に1度あるかないかというぐらいの貴重な現象ですが、いったいどんなことが起きるのでしょうか。
1月21日放送『多田しげおの気分爽快!!~朝からP•O•N』では、神事として御神渡りを判定する八剱(やつるぎ)神社の宮司、宮坂清さんにパーソナリティの多田しげおが電話でお話を伺いました。
まるで氷の山脈
御神渡りとは、湖が一気に凍る全面結氷となり、中央部分の氷がせり上がり、氷の筋道ができるという現象。
かなり寒い状態が続かないと起きない現象ですが、今年は厳しい寒さが話題に上がっている状況。
ということは、今年はもう御神渡りは起きたのでしょうか。
宮坂さん「全面結氷はしたんですけど、実は昨日大寒で一番寒い日なんですけど、風が強くて波が立って氷が割れて砕けて、ポッカリ空いちゃったんですね」
湖が全面結氷して、寒くなっていれば良いという訳でもないようですね。
宮坂さん「冷えっぱなしでもいけませんし、やっぱり日中、日が出て気温が上がってくると、急な寒暖差によって氷が変化を始めるんですよね。裂けたり、また氷を張ったり、膨張したり、そして盛り上がって山脈のように」
厚さ10cm程の氷だと高さは60cmほどになるそうで、山脈とたとえられるだけあって、結構高いものができるようです。
果たして山脈が現れるのか期待がかかりますが、天気予報によりますと、向こう3日間は気温が高めということで、やや難しいようです。
宮坂さんは、御神渡りができたかどうか判定するために毎日、諏訪湖を訪れていますが、確認する時はドキドキするものなのでしょうか。
宮坂さん「今朝、氷がどうなっているのかな。ひょっとしたら筋ができているのかな。あたかも逢引きするような気持ちでワクワクして、湖を通っています」
「御神渡り」という名前のとおり、この氷の筋道は神様が渡ると例えられているのですが、どこへ向かおうとしていたのでしょうか。
宮坂さん「今までの観察結果からいいますと、諏訪湖の南側、諏訪大社の上社があるんですけど、北側の下社とだいたいお社を結ぶような形で神渡りが発生していることが多いんですね」
昔の人は御神渡りの現象を見て、神様が渡っているという考えから、出発点とゴールの近くに社をそれぞれ作ったのではないかと、宮坂さんは推測されました。
言い伝えの内容が変わった!?
しかし、神様がただ湖を渡ったという話では終わりません。
宮坂さん「それがやがて、男の神が姫神の下に通った、恋の通い路というふうに、だんだん人間が受け止めていく」
加藤愛アナウンサー「織姫と彦星みたい」
多田「だから宮司は毎朝湖を見に行って、『まるで逢引きするかごとくドキドキする』のは、『男の神様、昨日は行ったかな?』それを見に行くわけですわ」
カップルのパワースポットにもなりそうな御神渡りですが、最初にありました通り、なかなか出現しないもので、前回発生したのは3年前。
宮坂さんは最後に「私にとっては、節分までが観察の勝負と思ってます。自然に祈るのみです」と語られました。
(岡本)
多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N
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2021年01月21日08時13分~抜粋