多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

群馬県磯部温泉の人たちが「温泉マーク」を愛する理由

1月14日『多田しげおの気分爽快~朝からP•O•N』では、群馬県の磯部温泉を取り上げました。

磯部温泉は実は温泉マークの発祥の地です。どういういきさつで全国で広まったのでしょう。

磯部観光温泉旅館協同組合の組合長、桜井太作さんに聞きました。

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群馬県と温泉マークの関係は?

丸いお湯から湯気が三本立っているような、俗に「逆さクラゲ」ともいう温泉マーク。
温泉を表す地図記号にもなっていて、ピクトグラムにも使われています。

その発祥の地である群馬県の磯部温泉には「日本最古の温泉記号」という碑も建っています。

群馬県立歴史博物館に収蔵されている古い地図に、温泉マークが書かれているんだそうです。それが日本最古の温泉マークなんだとか。
 

土地争いが発端

この地域では江戸時代初期、西暦1661年に、農民同士が土地の境界線で揉めたそうです。
その争いに決着をつけるために、当時の江戸の幕府の裁判所にあたるところが出した評決文の裏に、温泉マークが書かれていたそうです。

桜井さん「その地図に、今の温泉マークに似ている逆さクラゲのような記号が二つ書かれていまして。専門家が調べて、この温泉記号は日本で使われた最古のものだと判明しました」

調べてみると、群馬県立歴史博物館の温泉マークは湯気が長いですが、今の温泉マークとほぼ同じです。

ちなみに磯部温泉では、1661年に温泉マークが書かれた評決文にちなんだ「温泉マーク1661」という日本酒も販売されています。
 

本当に湧き出ている?

実際、その温泉マークの所から温泉が湧き出していたんでしょうか?

桜井さん「今は鉱泉地っていいまして、炭酸泉なんですけども、湧き出していたところは皆さんが温まれる足湯になっております」

桜井さんの幼少時代は、ボコボコ湧き出ているのを見たことがあるんだそうです。

ちなみに磯部温泉の泉質はナトリウム-塩化物泉・炭酸水素塩強塩温泉。
切り傷や乾燥肌をはじめ、さまざまなものに効き目があるそうです。
 

温泉マーク廃止の危機

この温泉マーク、東京オリンピックに合わせて、外国人にわかりにくいため、湯船に人が3人つかってるマークに変えようという動きがありましたが…。

桜井さん「それが5年前ぐらいなんですけども、地元の我々が猛反対をしまして、私、経産省まで行ってきたんです」

地元では温泉マークを残すために尽力しました。
その一つが「温泉マークの日」。2が湯気の形に似ているとして、温泉マークの三つの湯気になぞらえ、2が3つ並ぶ2月22日を温泉マークの日として日本記念日協会に申請、めでたく認定してもらったそうです。
 

地元の誇り

「経産省の方でも、いろいろ考えていただいて、今のJISマークがお馴染みの温泉マークなんですけども、ISOマークと並列して使用するということで、温泉マークが残ったんですね」

JISマークは「日本工業規格」という日本の国家規格。土木建築や機械などにつけられます。一方、ISOマークは国際的な標準規格のことです。

桜井さん「みなさん、結構誇りに思ってらっしゃったみたいで、その時に自分もいろいろな後押しをされたんです。この温泉マークはこれだけ愛されてるんだなぁと思いましたね」
(尾関)
 
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2021年01月14日07時42分~抜粋

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